請第3号
採択
佐賀県立鹿島高等学校の講堂を保存利活用するための調査を求める請願書
鹿島高等学校講堂は、旧制鹿島中学時代の昭和3年に地元有志の寄付も集めて落成したものである。鹿島中学は旧鹿島鍋島藩13代藩主鍋島直彬公が、地域の青少年の育成のため城内の広大な敷地と藩校の建物を寄贈されたものに始まります。その後も現在まで続く「牡丹餅会」など生徒の成長の為、物心両面から援助をされました。その「至誠一貫の精神」は学校の精神的支柱として現在の鹿島高校まで脈々と受け継がれ、多くの有為な人材を輩出してきました。
佐賀県の重要文化財である「赤門」やそれに連なる白壁などとともに、講堂は鹿島高校のシンボルとして多くの生徒を見守ってきました。多くの県内の木造の講堂が取り壊される中、県の近代教育史の中でも貴重なものと位置づけられ佐賀県の近代化遺産にも取り上げられています。又、文化庁の文化財担当者からも文化財として貴重な建物とお墨付きを頂いてもいる、県内に只一つ残る木造講堂という貴重な文化遺産といえます。
さらに講堂は耐震性不足で使用が中止されるまでは部活動や、種々の集会などで長く利用されてきたものであり、耐震補強によって保存されれば佐賀県の普通科改革で始まった「未来探究進学コース」などの発展に十分寄与できると思われます。
又、この場で学んだ多くの先輩たちと鹿島の子供達をつなぎ、デジタル技術を活かし、鹿島のDNAの継承や学校と社会をつなぐ場としても可能性を持つ建物と思われます。
講堂の解体について、同窓会の総会や、各地の支部総会などでそれを報告したところ、多くの同窓生から「何とか保存できないものか?」との声が県内外から寄せられ、現在に至っています。
同窓生の専門家の話でも耐震の補強のためには多額の費用が掛かることも認識しておりますし、それ以前に、専門的な調査が必要とも聞き及んでおります。
今に生きているものとして、先人から長く大切に受け継がれた文化遺産を、引継ぎその精神をバックボーンとして、変化の激しい今の世の新しい学校つくりに応援できれば同窓会としても大変有意義なことと考えます。その為にも、同窓会の総会などでの募金活動なども準備を検討しております。
下記の点について請願いたします。
記
―お願いしたい事項―
鹿島高校講堂を保存利活用するための本格的な調査をする事。
令和6年9月10日
佐賀県議会議長 大場 芳博 様
請願者
佐賀県鹿島市大字高津原462番地
佐賀県立鹿島高等学校同窓会 会長 矢野 善紀
紹介議員 石井秀夫、土井敏行、坂口祐樹、定松一生