選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書(案)
民法第750条では、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」と定めているが、世界で夫婦同姓を義務づけている国は日本だけである。
国連の女子差別撤廃委員会は日本政府に対して4度にわたり、女性が婚姻前の姓を保持することを可能とする法整備を勧告している。夫婦別姓を可能とする法改正を進めていくべきである。
結婚時に改姓するのは、2023年時点で約95%が女性である。姓の変更は、仕事や社会生活を送る上での様々な不便・不利益をもたらしている。多くの女性において、仕事や研究等を続けるにあたり不都合、不利益を被ったという例もあり、さらには旧姓の通称使用においても、金融機関等との取引や海外渡航の際の本人確認、公的機関・企業とのやり取り等に困難を抱えている。
家族の在り方は多様化し、夫婦・家族のかたちは様々である。個人の選択に寛容な社会をつくっていくことが求められている。
1996年には法務省の法制審議会が選択的夫婦別氏制度の導入を含む民法改正について答申したが、実現されないまま四半世紀が経過している。近年の世論は選択的夫婦別姓制度の導入に賛同する意見が高い割合を占め、多くの地方議会でも意見書が可決されている。日本経済団体連合会などからも、現行制度は個人の活躍を阻害し、様々な不利益をもたらすとして、早期導入を求める要望が出されている。
よって、佐賀県議会は、国会及び政府に対し、民法を改正して選択的夫婦別姓制度の導入を求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年12月 日
佐賀県議会
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
法務大臣 鈴木 馨祐 様
内閣府特命担当大臣 三原 じゅん子 様
(男女共同参画)
以上、意見書案を提出する。
令和6年12月17日
提出者 武藤 明美 徳光 清孝 藤崎 輝樹 江口 善紀
野田 勝人 中本 正一 木村 雄一 下田 寛
酒井 幸盛
佐賀県議会議長 大場 芳博 様