性犯罪の再犯防止の取組への支援の強化を求める意見書(案)
性犯罪をした者に対して、矯正施設等において再犯防止プログラム等が実施されているが、出所後も地域社会において継続することが重要である。
令和5年3月、法務省は自治体向けに「性犯罪の再犯防止に向けた地域ガイドライン~再犯防止プログラムの活用~」を策定し、このガイドラインを踏まえて、性犯罪の再犯防止に都道府県等が主体となって取り組むことが期待されている。
性犯罪をした者の出所後の住所等の情報については、法務省から情報提供を受け都道府県等が把握する仕組みは一定確保されているものの、実際に当事者に対して直接再犯防止の支援を行うまでには至っておらず、一部の府県では、子どもに対して性犯罪をした者に、矯正施設等を出所する際に住所等の届出を求める条例を制定し、届出のあった情報をもとに、カウンセリングなどの再犯防止・社会復帰支援を行っている。
こうした条例に基づく届出の仕組みがなくとも各自治体が再犯防止の取組を効果的に進めるためには、国、自治体、関係機関等の連携や性犯罪をした者に係る情報の共有が極めて重要であり、国からのより一層の支援が不可欠である。
よって政府は、下記の事項について所要の措置を講じられるよう、強く要望する。
記
1 性犯罪をした者に対し、矯正施設等を出所した後も自治体による再犯防止に関する必要な支援を受ける意義について啓発を図ること。
2 再犯防止に関する必要な支援につなげるため、性犯罪をした者が矯正施設等を出所する際に、当事者の住所等の情報を自治体に届け出る仕組みを整備するなど、情報提供ルートのさらなる充実を図ること。
3 自治体では、性犯罪の再犯防止に必要な知識や技術を十分に有していないことから、再犯防止に係る人材の育成について支援すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月 日
佐賀県議会
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
総務大臣 村上 誠一郎 様
法務大臣 鈴木 馨祐 様
厚生労働大臣 福岡 資麿 様
内閣府特命担当大臣 三原 じゅん子 様
以上、意見書案を提出する。
令和7年3月17日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 大場 芳博 様