核兵器禁止条約に関する意見書(案)
広島と長崎にアメリカの原子爆弾が投下されてから72年を経た2017年7月7日、歴史的な核兵器禁止条約が採択された。同年9月20日には同条約への調印・批准・参加が開始され、2021年1月22日に発効した。2025年9月現在95の国・地域が署名し、74の国・地域が批准している。
核兵器禁止条約は、核兵器について破滅的な結末をもたらす非人道的な兵器であり、国連憲章・国際法、国際人道法、国際人権法に反するものであると断罪して、これに「悪の刻印」を押した。
条約は、開発、生産、実験、製造、取得、保有、貯蔵、使用とその威嚇にいたるまで、核兵器にかかわるあらゆる活動を禁止している。条約は、被爆者や核実験被害者への援助をおこなう責任も明記している。
核兵器禁止条約は、被爆者とともに私たち日本国民が長年にわたり切望してきた核兵器完全廃絶につながる画期的なものである。
この核兵器禁止条約の規範力を強化し、核兵器の使用を防ぐことが強く求められている。
2022年2月24日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵略に合わせて核兵器による威嚇をおこなった。その後も繰り返し核使用の脅迫をおこないながら侵略を続けている。
また、パレスチナのガザ地区でのジェノサイドをおこなっているイスラエルは、閣僚がガザへの核兵器使用を「選択肢」と発言した。
これらは核兵器の使用・威嚇を禁じた核兵器禁止条約に明確に違反するものである。
さらに、イスラエルとアメリカによるイランへの核関連施設への先制攻撃など、核保有国による許しがたい蛮行がおこなわれている。人類をこれ以上危機に追いやってはならない。
2024年12月10日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞した。被爆者の皆さんが自らの体験、証言を通して核兵器の使用をタブーとする世界的な規範の成立に貢献したとノーベル委員会はたたえている。
被爆80年を超え、いまこそ広島、長崎の原爆被害を体験した日本の政府は、核兵器の使用を許さず、核兵器を全面的に禁止させる先頭に立たなければならない。
よって、国に対し、核兵器禁止条約締結国会議へのオブザーバー参加を速やかに実現するとともに、核兵器のない世界の実現に向け、批准を含めたあらゆる方策について検討するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月 日
佐
賀 県 議 会
衆議院議長 森 英介 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 高市 早苗 様
外務大臣 茂木 敏充 様
防衛大臣 小泉 進次郎 様
内閣官房長官 木原 稔 様
以上、意見書案を提出する。
令和8年7月1日
提出者 武藤 明美 徳光 清孝 藤崎 輝樹 江口 善紀
野田 勝人 中本 正一 木村 雄一 下田 寛
酒井 幸盛
佐賀県議会議長 宮原 真一