本日、 平成12年11月定例県議会の開会にあたり、 提案いたしました平成12年度補正予算案並びにその他の議案について、 その概要をご説明申し上げます。
平成12年度の予算につきましては、 既定の予算において、 努めて、 年度間の所要額を見込んで計上いたしておりますので、 今回の補正予算案の編成に当たりましては、 その後の事態の推移に対処するため、
1 . 「日本新生のための新発展政策」 に対応した国の追加認証見込額を計上すること
1 . その他、 早急に措置を要するものについて、 所要額を計上すること
を中心として編成した次第であります。
この結果、 補正予算案の総額は、 歳入歳出とも、 それぞれ、
一 般 会 計 約128億9,900万円
となり、 これを既定の予算額とあわせますと、 本年度の予算総額は、
一 般 会 計 約5,167億1,500万円
となっております。
以下、 予算案の主な内容について、 その概要を申し上げます。
はじめに、 「日本新生のための新発展政策」 に対応した国の追加認証について申し上げます。
我が国経済の現状は、 各種の政策効果もあって、 緩やかな改善が続いており、 企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが続いておりますが、 依然として雇用情勢は厳しく、 個人消費も概ね横ばいの状態にあります。
このような状況のもと、 国においては、 景気を本格的回復軌道に確実につなげるとともに、 我が国経済の21世紀における新たな発展基盤の確立を目指すとの観点から、 経済対策として、 「日本新生のための新発展政策」 が決定されたところであります。
今回の経済対策においては、 特に、 IT (情報技術) 革命の飛躍的推進等に重点が置かれ、 全体として11兆円規模の事業を早急に実施することとされております。
県といたしましては、 このたびの経済対策に対応した国の追加認証見込額として、 約126億7,700万円を計上いたしました。
この追加補正により、 道路整備、 河川改修、 海岸保全事業など、 現在実施中の公共事業の一層の促進を図ることといたしております。
また、 IT革命の推進への対応につきましては、 IT関連施設・設備の充実や県民への利用技能の普及等を推進することといたしております。
まず、 IT関連施設・設備の充実につきましては、 学校におけるパソコンやインターネットを利用した教育の情報化を推進するため、 新たに鹿島高校など8校に校内情報ネットワークを整備することといたしました。
また、 県内市町村の電子化の推進に向けた取組みを支援するための機器整備を行い、 県・市町村間及び市町村相互間の緊密な情報交換等の実現を図ることといたしております。
このほか、 地域医療の推進を図るための情報ネットワークの整備及び児童の健全育成を図るための児童館等へのパソコン設置に助成することといたしました。
県民へのパソコンやインターネットの利用技能の普及につきましては、 このたび、 国が創設した 「IT講習推進特例交付金」 をもとに、 「佐賀県情報通信技術講習推進基金」 を設置し、 今年度から来年度にわたり、 この基金を活用して、 県及び市町村においてIT講習会を実施することといたしております。
また、 この講習会を実施するため、 県立生涯学習センターにパソコンを設置するとともに、 市町村が講習会用パソコンを公民館、 図書館等の社会教育施設に設置する事業に助成することといたしました。
さらに、 雇用対策として、 ITの進展・普及に対応し、 離職者等を対象に再就職の促進を図るため、 ITに関する職業訓練の一環としてパソコン研修を追加実施することといたしております。
次に、 これら以外の経済対策に伴う国の主な追加認証について申し上げます。
高齢者福祉の充実につきましては、 介護保険制度の円滑な実施を図るため、 市町村が行う介護予防のための拠点整備や社会福祉法人等が行う特別養護老人ホーム等の整備に助成することといたしております。
環境対策につきましては、 生活排水による水質汚濁を防止するため、 合併処理浄化槽の整備等を促進することといたしました。
水産業の振興につきましては、 有明海地区におけるタイラギの増殖場の造成事業並びに玄海地区において異常発生したグミを除去する事業について、 さらに事業の促進を図ることといたしております。
次に、 その他の予算案の主な内容について、 その概要を申し上げます。
交通安全対策の推進につきましては、 暴走族による暴走行為が県民生活に多大の影響を及ぼしている状況を踏まえ、 別途、 条例案の審議をお願いしているところでありますが、 この条例の適切な運用を図るため、 県民、 関係者等に対する広報・啓発に要する経費を計上いたしております。
県土の保全につきましては、 土砂災害から人命を守るため、 災害に関する情報収集を行い、 関係市町村へ情報提供し、 警戒・避難活動を支援する 「砂防情報基盤緊急整備事業」 を促進することといたしました。
吉野ヶ里歴史公園につきましては、 これまで、 国、 県双方で整備を進めてまいりましたが、 来年4月21日に第一期開園を迎えることに伴い、 その準備に必要な経費を計上いたしております。
また、 来年4月に佐賀土木事務所と小城土木事務所の再編統合を行うことに伴い、 移転に要する経費を計上するとともに、 併せて、 来訪者の利便性の向上を図るため、 駐車場の拡張を行うこととして所要の経費を計上いたしました。
このほか、 建設工事の集中期の工事量を分散し、 端境期の工事量を確保するため、 翌年度実施予定の県単独事業の一部を繰り上げて発注し、 工事の平準化を図る、 いわゆる 「ゼロ県債」 について、 県内景気にも配慮し、 債務負担行為20億円を計上いたしております。
以上、 補正予算案の主な内容について申し述べましたが、 これに対する一般会計の歳入財源といたしましては、
地 方 交 付 税 約33億2,000万円
国 庫 支 出 金 約37億5,600万円
県 債 54億5,700万円
そ の 他 約3億6,600万円
計 約128億9,900万円
となっております。
次に、 予算外議案といたしましては、 条例案として 「中央省庁等改革に伴う佐賀県条例の整備に関する条例 (案)」 など9件、 条例外議案として 「県事業に対する市町村負担について」 など5件、 あわせて14件となっております。
これらの議案につきましては、 それぞれ提案理由を記載しておりますので、 説明を省略させていただきます。
以上をもちまして、 今回提案いたしました議案の説明を終わる次第であります。
本会議をもって20世紀最後の定例会となりましたが、 なにとぞ、 よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。