本日、平成17年9月定例県議会の開会にあたり、提案いたしました平成 17年度補正予算案並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。
提案事項の説明に入ります前に、三位一体の改革について申し上げます。
私ども地方六団体は、3兆円の税源移譲を確実に実施することが三位一体の改革の基本であるという認識のもと、「国庫補助負担金等に関する改革案(2)」を7月20日に内閣総理大臣に提出いたしました。その後、昨年11月の政府・与党合意で先送りされた6,000億円の税源移譲が実現できるよう、政府と協議を行うこととしておりましたが、衆議院の解散及び総選挙により、現在までのところ協議は実施されておりません。
今後再開される政府との協議においては、地方六団体の改革案が尊重され、真の地方分権改革が推進されるよう求めていく所存であります。
三位一体の改革を始めとする地方分権改革は、国と地方の役割分担を明確にし、県民満足度が高まる行政サービスや、限られた税収の生きた使い方を実現する改革であります。私は、この改革の意義を国民・県民にわかりやすく説明することが重要であるとの考えから、8月に「未来予想図」と題した資料を作成し、全国知事会や各都道府県に対して提案いたしました。今後とも、地方分権改革の推進に力を尽くしてまいりたいと考えております。
続きまして、当面の懸案事項に対する対処方針について申し上げます。
まず、九州新幹線長崎ルートについて申し上げます。
九州新幹線長崎ルートにつきましては、並行在来線の経営分離に対する沿線自治体の同意を得るため、「JR長崎本線存続期成会」との間で、本年6月6日から、9回の協議を行い、あわせて、期成会を構成する1市2町において期成会との合同説明会を開催するとともに、各種団体の求めに応じ、説明を行ってまいりました。
県としては、期成会との協議及び住民説明会等を丁寧かつ誠意を持って行ってまいりましたが、8月30日に県に提出された期成会の鹿島市長、江北町長、太良町長連名での回答は、経営分離に不同意という厳しいものでありました。
期成会との協議は、期成会側から申し出のあった長崎ルートの費用対効果に関する国の検討結果についての議論が中心となり、県が提案した並行在来線区間の代替交通案や地域振興策については、十分な意見交換をするには至りませんでした。
このため、県としては、期成会に対して、新たな協議の申し入れを行い、代替交通案や地域振興策についての協議を進めることといたしました。今後とも、沿線住民の皆さんの意向を十分に伺いながら、地域の将来像について安心いただけるような提案を行い、できるだけ早く経営分離に対する沿線自治体の同意が得られるよう、最大限の努力をしてまいります。
次に、県立病院好生館の移転について申し上げます。
県としては、県立病院好生館の移転先予定地として「どんどんどんの森」が最適と考え、佐賀市に対して「どんどんどんの森」の市有地を提供してもらうよう依頼しておりましたが、8月31日に佐賀市長から、佐賀市としては、県の依頼を受け入れない旨の回答を受けました。
移転問題については、これまで佐賀市と意見交換をしながら進めてきたにもかかわらず、事前の相談もなく、このような判断をされたことは残念であります。
6箇所の候補地の中では、「どんどんどんの森」が最も適しているとの考えに変わりはありませんが、佐賀市から、駅南案、現地改築案の再検討を要望されましたので、かつて県が検討した案と今回出された佐賀市の案のどこが違うのか、佐賀市の考えを聞いたうえで内容を精査してみたいと考えております。
続きまして、提案事項についてご説明申し上げます。
今回の補正予算案の編成に当たりましては、6月補正後の事態の推移に対処するため、
○ 大雨被害等の災害復旧対策を講じること
○ その他、早急に措置を要するものについて所要額を計上すること
を中心として編成いたしました。
この結果、補正予算案の総額は、歳入歳出とも、それぞれ
一般会計 約 6億 100万円
特別会計 減額 約 2億2,800万円
となり、これを既定の予算額とあわせますと、本年度の予算総額は、
一般会計 約 4,288億8,400万円
特別会計 約 854億7,900万円
となっております。
まず、大雨被害等の災害復旧対策につきましては、3月、5月及び7月の大雨、3月及び4月の福岡県西方沖を震源とする地震により、農地、農業用施設及び公共土木施設などを中心に、総額約8億200万円の被害が発生しており、その被災箇所の早期復旧を図るため、農地等災害で80パーセント、土木災害で85パーセント、林道災害で100パーセントの復旧進度を目途として、災害復旧事業に約1億2,900万円を追加計上するとともに、災害関連事業についても約1,500万円を追加計上しております。
災害の復旧に当たりましては、関係市町村と緊密な連携をとり、その対策に万全を期してまいりたいと考えております。
このほか、予算案の主な内容について申し上げます。
中小企業に対する金融支援につきましては、本年度から創設した「がんばる企業支援資金」について、6月補正で増額した融資枠を上回る資金需要が見込まれることから、引き続き県内中小企業の資金調達の円滑化を図るため、さらに融資枠を増額することとし、所要の経費を追加計上しております。
雇用対策の推進につきましては、大きな雇用創出効果が期待されるコールセンターの立地が予定されておりますが、これらの事業所における障害者の雇用を促進するため、障害者向けのコールセンター人材養成講座を実施することとしました。
鎮西町漁業協同組合の経営基盤強化対策につきましては、鎮西町漁業協同組合が佐賀県信用漁業協同組合連合会に信用事業の譲渡を行うにあたり、必要な資金の借入れにおける漁業者の金利負担を軽減するため、国や社団法人大日本水産会と共同で利子補給を行うとともに、資金の借入れに際し、債務保証を行う佐賀県漁業信用基金協会に対し、損失補償を行うこととし、債務負担行為2億9,400万円を計上しております。
原子力安全行政の推進につきましては、九州電力株式会社から事前了解願いが提出されている玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画について、去る9月7日、経済産業大臣から原子炉設置変更許可がなされたところであります。国は、プルサーマルの必要性と安全性をテーマとしてシンポジウムを開催されますが、県においては、安全性の確保が最も重要との考えから、別途、安全性をテーマとした県主催の公開討論会を開催することといたしました。
学校教育の充実につきましては、平成19年4月に開校を予定しております、県立武雄高校と県立武雄青陵高校を再編・統合し併設型中高一貫教育を導入する武雄地区新高校並びに、同じく平成19年4月から併設型中高一貫教育を導入する県立鳥栖高校について、必要な施設整備のための設計を行うこととしております。
安全で安心して暮らせる県土づくりにつきましては、水防法の改正に伴い、河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を指定するため、県管理の主要な河川について浸水想定区域調査を今年度から行うこととしております。
城原川ダム事業に関連する脊振村の振興策につきましては、ダム計画のために長期間実施できなかった水没予定地区内の生活環境の整備を図るため、脊振村が実施するコミュニティ施設の建設などに対して助成を行うこととしました。
危機に強い体制づくりにつきましては、国民保護法に基づき、佐賀県国民保護計画を今年度策定しておりますが、武力攻撃事態等における関係機関相互の連携強化を図るため、国、県及び関係機関の共同による図上訓練を実施することとしました。
合併後のまちづくりの支援につきましては、佐賀県市町村合併支援プランに基づき交付する「合併市町村交付金」について、所要の経費を追加計上しております。
犯罪防止対策等の推進につきましては、交番勤務員が警ら等で不在となる際に、地域住民からの事件・事故、各種相談及び被害届の受理等に的確に対応するとともに、空き交番を解消するため、交番相談員を増員することとしております。
以上、補正予算案の主な内容について申し述べましたが、これに対する一般会計の歳入財源といたしましては、
県 税 20億7,400万円
地方交付税 約 4億9,000万円
国庫支出金 減額 約 9億3,000万円
繰 入 金 減額 約 34億9,800万円
繰 越 金 約 29億1,800万円
諸 収 入 約 4億7,900万円
県 債 減額 9億1,300万円
そ の 他 減額 約 1,900万円
計 約 6億 100万円
となっております。
次に、予算外議案といたしましては、条例案として、「佐賀県民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する条例(案)」など5件、条例外議案として、「県事業に対する市町村負担について」など10件、あわせて15件となっております。
これらの議案につきましては、それぞれ提案理由を記載しておりますので、説明を省略させていただきます。
以上、今回提案しました議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
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