決算特別委員長報告
委員長 留守茂幸
決算特別委員長の報告をいたします。
9月21日の本会議におきまして、本委員会に付託され、閉会中の継続審査と
なっておりました、乙第90号議案「平成17年度佐賀県歳入歳出決算の認定
について」、乙第91号議案「平成17年度佐賀県立病院好生館事業決算の認定
について」及び乙第92号議案「平成17年度佐賀県工業用水道事業決算の認定
について」、以上3件の議案について、11月6日から17日まで、現地視察を
含め委員会を開催し、慎重に審議いたしましたので、その経過及び結果について
報告いたします。
まず、採決の結果を申し上げます。
11月16日に全ての質疑を終了、翌17日の採決の前に、委員会の全委員を
代表し、次の意見を申し述べました。
『平成十七年度の予算の執行に当たっては、昨日までの審議の中で、おおむね予算
の議決の趣旨に添って、歳入の確保と歳出の効率的な執行に留意され、それぞれの
施策を進められてきたものと認められるところであります。
しかしながら、土木事務所を始めとした十三の現地機関にかかる工事予算について
翌年度への繰越手続きを怠るなどの不適切な事務処理問題については、現在調査委員
会を設置し、最終的な報告書をとりまとめ中でありますが、予算の単年度主義や、
財務処理上のさまざまな法的手続きを遵守せず、また各種のチェック機能も十分に
機能しないまま、こうした処理が半ば常態化していたことは、誠に遺憾なことで
あります。
これら一連の行為が県民の県政に対する信頼を著しく損なう結果となったことに
ついて、県執行部に対し、強く反省を求め、現在とりまとめを行っている調査結果を
すみやかに県議会に対し報告し、その信頼回復のために今後、このような不適切な
処理が二度と行われることがないよう、必要な改善策をすみやかに行うよう強く
求めるものであります。』
以上の意見を申し述べた後、採決に移り、乙第90号議案、乙第91号議案及び
乙第92号議案、以上3件の議案を一括して採決の結果、全会一致で認定されました。
続いて、審議の過程で申し述べられました主な意見及び要望の概要を申し上げます。
まず、総務常任委員会関係の事項について申し上げます。
1、 決算審査に係る説明資料は、客観的な基準を 設け、個々の事業の具体的な目的、
効果を明確にして作成のうえ提出されたい。
1、本部制による予算編成制度導入について、県民満足度向上の観点からの効果や、
問題点などを十分検証されたい。
1、アジアのハリウッド構想は具体的、長期的目的を明確にしたうえで、単年度の
事業に取り組まれたい。
1、アジアのハリウッド構想は、総花的ではなく、本県の地域性に根付くような
事業への集中化を検討されたい。
1、電子県庁システム機器の整備に当たっては、経費の硬直化を避けるため、一層の
経費の削減等の効率化に努められたい。
1、ネットモニタリング事業については、その必要性を含めて費用対効果を検討されたい。
1、県広報については、佐賀県のイメージアップに結びつくような、総合的な広報戦略
の確立に努められたい。
1、県有財産の有効活用、未利用財産の処分等を図り、収入確保に努められたい。
1、公用車の車検に関して、経費節減の観点から、県下統一した費用基準の導入を
検討されたい。
1、指定管理者制度は本来の導入目的に沿った運用、サービス提供がなされるよう
関係者を指導されたい。
1、現在の厳しい犯罪情勢下における治安確保を図るため、交番相談員、警察安全
相談員等の拡充を図られたい
との意見などが出されました。
次に、文教厚生常任委員会関係の事項について申し上げます。
1、収入未済額が発生している事業についてはその早期解消に努められたい。
1、消費者生活トラブル相談の増加に対し、未然の被害防止に向け、的確な対応を
図られたい。
1、少子化進行の歯止めのため、幼稚園の運営支援、放課後児童クラブの充実などの
子育て支援に努められたい。
1、現在の高齢者医療、及び介護の実態を踏まえ、いわゆる「医療難民」、「介護難民」が
生じないよう十分留意しながら、特別養護老人ホームなどの施設整備を推進されたい。
1、県内のグループホームの拡充、及びケアホームの新設を推進し、障害者の自立を
支援する受け皿づくりに努められたい。
1、乳幼児医療費助成事業などの少子化対策における事業効果を分析し、助成対象の拡大
など、今後の推進に努められたい。
1、県立病院好生館の決算状況を踏まえ、今後望まれる役割を把握し、課題の解消や県民
要望に応える新病院の建設につなげられたい。
1、自閉症児の円滑な社会生活実現のため、その早期発見や早期療育の体制整備に積極的
に取り組まれたい。
1、県民の食における安全確保に貢献してきた 佐賀県食品安全協会の役割を認識し、
引き続きその支援に努められたい。
1、スクールカウンセラー、及びスクールアドバイザーへの相談実績とその成果を把握し、
不登校児童の改善に努められたい。
1、小学校低学年における小規模学級やティー ムティーチングの取り組み成果の情報提供を
行い、さらに効果を上げるよう取り組まれたい。
1、食育推進基本計画に基づく、県内の食育教育を積極的に推進し、子どもの食生活改善に
取り組まれたい。
との意見などが出されました。
次に、産業常任委員会関係の事項について申し上げます。
1、長期間、分譲の進まない工業団地については、賃貸制度の導入などの施策の展開により、
積極的な分譲等を推進されたい。
1 東部工業用水道の配水管の敷設など新たな設備投資についは、個々の誘致企業の事業
計画等を踏まえて適切に判断されたい。
1、「県産品ブランド化支援事業」について、その事業成果を検証するとともに、企業との
連携などにより販路拡大に努められたい。
1、県産農産物の需要拡大と有利販売を推進するため、市場や消費者の立場に立った効果的な
マーケティング活動を展開されたい。
1、商工会の活動に対する補助金の見直しについては、その事業活動への影響を勘案した上
で取り組まれたい。
1、小規模企業者等設備導入等事業支援特別会計における収入未済額発生の事前防止に努める
とともに、長期化している未収債権について解消策を講じられたい。
1、商店街の活性化を図るため、商店街施設の整備だけではなく、観光との連携などによる
集客への取組みを講じられたい。
1、ファミリーツーリズム推進事業については、市町や観光事業者等との連携を強化して推進
されたい。
1、九州観光推進機構の取組みが佐賀県観光の振興につながるような対策を講じられたい。
1、農業改良資金、沿岸漁業改善資金、林業改善資金については、貸付手続きや資金の活用策、
資金規模などの検証を行い、多額の不用額の発生防止に努められたい。
1、集落の活動内容に応じた、新たな中山間地域等直接支払制度への対応を支援し、中山間地域
農業の振興を図られたい。
1、「佐賀牛」の生産振興とブランド化を図るため、県産の肥育素牛の確保に努められたい。
との意見などが出されました。
次に、県土整備常任委員会関係の事項について申し上げます。
1、現地機関における不適切な事務処理について、今後、法令遵守の意識を高めるほか、職員の
仕事に対するやりがい等が感じられる環境づくりの対策を講じられたい。
1、現地機関に一定の権限を与えるとともに、災害時に現地で素早い対応ができるような組織
づくりを推進されたい。
1、公共工事予算が減少する中、建設業者の受注機会の確保のため、繰越額及び不用額の
さらなる削減に取り組み、予算の有効活用を図られたい。
1、雇用創出、経済の活性化、災害時の迅速な 活動等の役割を担う、地域に根ざした地元建設
業者育成の体制を整備されたい。
1、市町により進捗状況や処理状況に差違がある地籍調査事業について、さらなる早期完了に
努められたい。
1、汚水処理の施設整備について、維持管理費等も考慮し、地域の特徴を活かして実施されたい。
1、土地改良施設の適正な維持管理を図るために、土地改良区の統廃合等による組織強化を推進
されたい。
1、 県営住宅使用料の未済額については、法的措置の実施や滞納整理業務の充実を図るなど、
一層の解消に努められたい。
1、 佐賀ターミナルビル株式会社の今後の経営安定化に繋げるため、県としてさらなる空港
利用促進対策に努められたい。
1、九州新幹線西九州ルートについて、広域的な交流の観点や、沿線の武雄市の同事業への
期待を十分勘案し、早期着工にむけてさらなる努力をされたい。
との意見などが出されました。
との意見などが出されました。
以上をもちまして、決算特別委員長の報告を終わります。
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