平成19年1月臨時県議会 知事提案事項説明要旨
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平成19年1月臨時県議会 |
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本日、平成19年1月臨時県議会の開会にあたり、提出いたしました「玄海原子力発電所におけるプルサーマル計画の受け入れの賛否に関する県民投票条例」について、その概要をご説明申し上げます。
この条例は、玄海原子力発電所におけるプルサーマル計画の受入れに対する賛否を問うための県民投票の手続を定めるものでありまして、地方自治法第74条第1項の規定に基づき、去る1月22日、条例の制定の請求を受理いたしましたので、同条第3項の規定により、意見を附けて付議するものでございます。
請求に基づき提出いたしました条例案に対します私の意見につきましては、議案書に記載しておりますが、あらためて申し上げます。
玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画については、平成16年5月に九州電力から県に事前了解願いが提出されて以来、2年近くをかけ、県民の安全と安心を守るという立場から、県民の方々の様々なご意見や、九州電力、国、県がそれぞれ主催いたしました公開討論会などにおける推進、慎重双方の立場からの議論を踏まえまして、慎重に検討を行ってまいりました。
その結果、これまでどおり国による厳格な規制・監督と九州電力による適正な安全管理が果たされることを前提に、玄海3号機プルサーマル計画の安全性は確保されると判断し、平成18年2月7日に公表いたしました。
その上で、
立地町であります玄海町から、町議会の意見を踏まえ、事前了解したいという意向が示されたこと
隣接市であります唐津市から、市議会での議論を踏まえ、事前了解に関する県の判断は理解できる旨の考えが示されたこと
そして、県議会におきまして、様々な議論が行われ、プルサーマル計画について慎重な推進を求める「プルサーマル計画事前了解について安全性と透明性・情報公開の確保を求める決議」がなされたこと
また、県議会議長、玄海町長、玄海町議会議長、唐津市長などの方々とともに二階俊博経済産業大臣と会談を行い、大臣から「安全確保に全力を尽くす」という確約を得たこと
などから、平成18年3月26日、事前了解を行ったものでございます。
わが国の地方自治制度につきましては、憲法第93条第2項において「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」と定められているように、間接民主制であります議会制民主主義を基本といたしまして、住民から選挙で選ばれた長と議会が代表し、それぞれの責任において地方自治行政を営むことを前提としております。
住民投票につきましては、その例外的なものでありまして、議会制民主主義を補完するものとして、
例えば、長と議会が対立して議決が得られない、または、議会が意思を示せないなどの状況により議会制民主主義が機能していない場合
都道府県の名称や区域の変更、合併など地方公共団体の存在の前提となるような事柄
について考えられるものと認識しております。
玄海3号機プルサーマル計画につきましては、県議会において様々な議論が行われ、決議が行われるなど議会制民主主義が機能しているなかで、必要な議論と手続を一つひとつ丁寧に積み重ねて慎重に判断したものであり、また、名称や区域の変更、合併など「佐賀県」という地方公共団体の存在の前提となるような事柄でもないことから、県民投票という形で、玄海3号機プルサーマル計画の受入れの賛否を問う本条例を制定する必要性は見出すことができないと考えております。
以上、今回提出いたしました議案について申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
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