1月臨時佐賀県議会は、プルサーマル計画の是非を問う県民投票条例案を否決した。県民投票よりも、県議会が適切な判断をするという佐賀県議会としての判断が示されたものである。
しかし、2006年3月22日に佐賀県議会が採択した「プルサーマル計画事前了解について安全性と透明性・情報公開の確保を求める決議」に述べられている、「慎重に推進する」上での6項目からなる前提の多くが実現されないまま、事前了解が行われたことも明らかになった。
例えば「1 県民の不安解消に努め、理解を深めること」とあるが、古川知事も「説明は不十分だった」と反省の意を表明している。
県議会の「慎重に推進」の決議は、県知事からの県民への説明を前提にしたものと理解しているが、そうした説明責任は果たされていない。
古川知事が示した「安全性は確保できる」とする判断や、プルサーマルの必要性、経済性、将来性など、多くの県民が知りたい内容について説明は全くなされていない。
核燃料サイクルの確立の柱は、高速増殖炉と国内での再処理及びMOX燃料の生産であるが、見通しはまだ立っていない。
九州電力が海外に委託して再処理されたプルトニウム量で加工されるMOX燃料は、玄海原発3号機で使用しても5年分である。
2010年に使用開始しても、2016年には使用するMOX燃料が無くなってしまう。しかし、六ヶ所村の再処理工場とMOX燃料加工工場は、稼働に経済性と技術的な課題が残っている。
さらに、一度MOX燃料を使えば、使用済みのMOX燃料が出てくる。その処理も、2010年頃から検討開始で、未だにその方法さえ確定できていない。
このように未確定な事がたくさん残ったままの状況のなか、県知事の、「安心してください」との答弁だけで県民の理解は得られない。
1月臨時県議会において、「プルサーマルは県民の信託を受けて県議会が判断する」との選択をした県議会として、「プルサーマル計画事前了解について 安全性と透明性・情報公開の確保を求める決議」を撤回し、改めて再検討されるよう請願する。
平成 19年2月26日
佐賀県議会議長 原 口 義 己 様
請願者 プルサーマルと佐賀県の100年を
考える会 世話人 伊藤 正樹 外3名
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