平成20年11月定例県議会　県土整備常任委員長報告《委員長　土井敏行》

  まず、採決の結果を申し上げます。
  質疑終結の後、乙第107号議案「佐賀県立吉野ヶ里歴史公園の管理について」に対し、留守茂幸委員他7名から附帯決議案が提出されました。
  附帯決議案についての提出者説明の後、乙第107号議案及び附帯決議案について一括して討論に入り、乙第107号議案について、反対の立場から、「指定管理者制度導入の目的を踏まえて、審査内容を精査してみると、目的の1つ、利用者サービスの向上で、1位、2位の団体は同点数、目的の2つ目、管理経費の縮減においては、順番が逆転している結果となっている。佐賀県の緊縮財政のなか、緊プロで経費節減を図っている状況を鑑み、経費がより高い県外の団体へ管理運営を任せるよりは、自ら経費縮減に努力し、住民の利便性を向上させる意気込みをもった県内団体へ管理運営させることが、県全体の振興に沿うものと考える。県のローカル発注と育成という観点でも、選定内容について再度、県のしっかりした議論を踏まえたルールを設けた後に、審査し直すべきと考える」との討論がありました。

  この討論の後、直ちに採決に移り、まず、乙第107号議案を採決した結果、賛成者多数をもって、原案のとおり可決いたしました。続いて、附帯決議案について、採決した結果、賛成者多数をもって原案どおり可決いたしました。なお、本附帯決議は次のとおりであります。

  乙第107号議案「佐賀県立吉野ヶ里歴史公園の管理について」に対する附帯決議
  指定管理者制度は、公共的団体等に限られていた公の施設の管理を民間事業者に開放し、その能力を活用することにより、県民サービスの向上を図るとともに、経費の節減を図ることを目的としている。今回、佐賀県立吉野ヶ里歴史公園の指定管理団体についての議案が提出されたが、選定結果については、一定の基準に基づき、選定委員会での審査を経て選定されたものであることは了知している。しかしながら、本委員会での審議の中でもあったように、選定結果が僅差である場合の取り扱いや、県が標榜しているローカル発注の観点、経費縮減の観点、などの点で審査基準のあり方を再検討する必要があると考える。県におかれては、今後、佐賀県立吉野ヶ里歴史公園の指定管理者の指定を行う際には、議会の意のあるところを勘案され、可能な限り審査基準の見直し等について配慮されるよう要請する。以上、決議する。
以上です。

  次に、甲第44号議案中、本委員会関係分、乙第87号議案、乙第89号議案、乙第95号議案、乙第96号議案、及び、乙第108号議案から乙第113号議案まで6件、以上11件の議案を一括して採決した結果、全会一致をもって原案のとおり可決いたしました。

  次に、付託議案及び所管事項一般として、申し述べられました主な質疑の概要を申し上げます。
◎ 入札・契約制度における地域性の評価、及び、地域要件の設定の是非
◎ 佐賀県立吉野ヶ里歴史公園の指定管理者に関する、選定委員の選定方法、管理期間を5年に延長した根拠、管理経費の縮減など評価の妥当性、国営公園との一体的管理運営に対する考え方、財団を指定管理者とすることへの是非、
◎ 都市計画における土地利用制度を活用した、定住人口の増加、及び、民間による宅地開発の喚起
◎ 県管理河川における巡視・点検の状況、及び、地元との協働の取組み
◎ 黒川における河川改修の進捗状況、及び、予定されている新工業団地整備に伴う浸水対策
◎ 直轄河川嘉瀬川、六角川が県へ移管されることの是非
◎ 城原川ダム建設における、過去の洪水及び基本高水流量690トンの検証、流水型ダムにおける洪水調節機能の妥当性、建設にかかるメリット・デメリット、及びダムによらない治水の再検討
◎ 有明佐賀空港の利活用促進に関する取組み
◎ 九州新幹線西九州ルートにおける、嬉野温泉駅（仮称）を中心としたまちづくり、及び、建設投資効果拡大への取組み
◎ 県道嬉野下宿塩田線、及び、県道波佐見塩田線の整備状況、並びに、県が管理する橋梁の維持管理への取組み
  などの質疑が行われました。

  最後に、9月定例会から引き続き審査中の
  1、県土づくり行政について
  1、交通政策行政について
  1、災害対策について
  以上3件につきましては、なお調査検討を要するため、閉会中の継続審査を議長に申し出ることにいたしました。

  以上をもちまして、県土整備常任委員長の報告を終わります。