(平成21年2月19日)
本日、平成21年2月定例県議会の開会に際し、県政を運営するにあたりまして、私の所信を述べさせていただくとともに、提案しました平成20年度補正予算案及び関連議案、並びに平成21年度当初予算案及びその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。
さて、昨年は、改めて初心に返って「将来を見据えて今必要なことを手がける」という観点から、「佐賀県総合計画2007」を推進し、「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」を実現していくためのステップを踏んでいく年と位置づけ、県政を進めてまいりました。
おかげをもちまして、九州新幹線西九州ルートの着工や、粒子線がん治療施設の立地に向けた取組の本格始動、唐津市に進められている中高一貫校の早稲田大学による系属校化決定など、県政の少なからぬ分野において「将来を見据えた一歩」を踏み出すことができたものと認識しております。
また、開港10周年を迎えた有明佐賀空港において東京便の増便という嬉しい出来事もありました。
一方、県民生活の視点からは、原油・原材料価格の高騰、北海道洞爺湖サミット開催を契機とした地球環境の変化への意識の高まり、さらには米国発の金融危機に端を発する急速な景気後退など、様々な意味合いにおいて大きな「変化」や「変動」に見舞われた年で、同時に、県民のくらしが世界と直結していることを改めて実感した年でもありました。
とりわけ、県内経済の見通しにつきましては、様々な指標の動向や、訪問調査における企業の方々の声など県内の実状を踏まえますと、今後、さらに厳しさを増していくことが予測されます。
このような中、今年の県政運営に当たっては、何よりもまず足元の経済・雇用をしっかり支えていくこと、県民の不安を解消していくことを第一に据えて取り組む必要があり、そのような決意を込めまして、今年を「地歩を固める」年と位置づけました。
県政の各分野においても、これまで取り掛かってきたものを固めていくこと、これまで育ててきたものを開花させながらしっかりと足元を踏みしめていくことを念頭に政策を進めてまいりたいと考えております。
中でも、産業の分野におきましては、
高温に強い米の新品種で、昨年までの試験栽培を経て今年から県内で本格的な作付が始まる「佐賀37号」について、マーケットを確立していくこと
・ |
昨年から取り組んでいる佐賀牛の中東への輸出に道筋をつけること |
・ |
九州新幹線西九州ルートの建設投資効果を高める取組や、開業効果を県内のできるだけ広い地域に波及させるための効果的な取組を進めること |
また、健康やくらしの分野におきましては、
・ |
粒子線がん治療施設の立地に向けた取組を進めること |
・ |
低炭素社会の実現に向けたエネルギー転換の促進と研究支援、意識づくり・地域づくりを進めること |
・ |
来年本県で開催する食育推進全国大会の成功につなげることも念頭に、食育やワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の意識づくり、実践を推進すること |
教育の分野におきましては、
・ |
義務教育におけるきめ細かな指導の充実や、不登校対策の強化を図ること |
さらに、行政サービスの提供体制につきましては、
・ |
新・地方分権一括法の成立を待つことなく市町への権限移譲を推進すること |
などに意を用いて取り組んでまいります。
次に、当面の課題に対する対処方針について申し上げます。
まず、現下の経済情勢に対する対応について申し上げます。
世界の金融資本市場の危機を契機とした世界規模の景気後退は、輸出や生産の減少、消費の停滞、雇用情勢の悪化など、我が国経済に深刻な影響を及ぼしており、景気は急速に悪化しております。
こうした経済情勢に対応するため、政府は、昨年10月に「生活対策」を、さらに12月には「生活防衛のための緊急対策」を決定したところでありますが、これらの対策を実施するための第2次補正予算につきましては、去る1月27日に成立し、また、関連法案につきましては、先週末に一部の法律が成立し、残る法案は国会で審議中であります。
県ではこれまで、企業への緊急訪問調査などを通じ、県内の実状把握に努めながら、昨年11月には、中小企業への金融の流れを確保するため、緊急対策として県制度金融を拡充するなど、機動的な施策展開を図ってまいりました。
また、今月2日には、離職を余儀なくされた方など県内で就職を希望される方と、福祉・介護や農業を含む幅広い業種にわたって、人材確保を求める県内事業所との面談の場を設け、マッチングにつなげるための就職相談会を開催したところ、多くの方にご来場いただき、離職者等の就職に向けた一助となったものと考えております。
これらの緊急的な取組に努める一方、昨年末に立ち上げました「佐賀県金融・雇用・経済総合調整会議」において、県として今後取り組むべき総合的な対策について検討を重ね、先般、その全体像を取りまとめました。
「くらしを守る・活力を生み出す緊急総合対策」と名付けました今回の対策は、100年に1度とも言われる危機の中にあって、刻々と変化する経済の状況に迅速に対応することにより、県民生活の不安の早期解消を図るとともに、今後の社会のあり方を見据えた新たな活力の芽生えとなるよう、国の対策にも呼応しつつ、現時点で県として取り組むことのできる最大限の対策を講じることを基本として取りまとめたところであります。
規模につきましては、本県では過去例を見ない総額約521億円に上り、その内訳は、金融対策約271億円、雇用対策約76億円、そして経済対策約174億円の3本柱となっております。
この財源としましては、制度金融の預託金のほか、国庫支出金等の特定財源を最大限活用した上で、さらに必要となる一般財源については、平成21年度に「地域雇用創出推進費」として地方交付税で措置される額に加え、財源調整用基金からの繰入等も含めた一般財源の活用を考えております。
次に、金融、雇用、経済の各対策の概要についてご説明申し上げます。
金融対策につきましては、今後も予測される資金需要の増大に対応できるよう、中小企業の経営安定及び経営革新のため、総額約271億円の預託を行うことにより、あわせて約737億円の新規融資枠を確保することとしております。
雇用対策につきましては、国の「緊急雇用創出事業臨時特例交付金」及び「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用して約75億円の基金を造成し、離職者のみならず、在職者や家計維持のために仕事を探しておられる方々も視野に入れながら、短期のものから継続的な雇用につながるものまで、幅広い雇用・就業機会の創出を図るとともに、本格雇用につなげていくための職業訓練や研修等を実施することとしております。
制度金融や基金積立を除いた、需要拡大のための経済対策につきましては、総額約174億円を見込んでおりますが、いわゆる公共事業中心の従来型の経済対策からは一線を画し、県民生活に身近なもの、地球環境や自然環境を良くするもの、未来につながっていくもの、という意味を込めて「みぢか」「みどり」「みらい」というキーワードを立てて取り組むことといたしました。
これらの事業の実施にあたりましては、経済対策としての効果をより高めるため、入札事務の期間短縮や入札参加の地域要件の絞り込み、最低制限価格制度への変更など、入札における特例を設けるとともに、物品購入や業務委託などの調達につきましても、入札等に際し離職者や障害者の雇用状況を参加条件とすることなどに取り組むこととしております。
このほか、市町や商工団体とも連携して県民による消費の拡大に取り組むこと、刻一刻と変化する状況に対応して機動的な見直しを行うこと、必要としておられる方に情報が届くよう広報を徹底することなどに十分留意してまいりたいと考えております。
以上、緊急総合対策の概要について申し述べましたが、今後、この対策を着実に実施していくことによって、生活や経済に関する県民の不安を解消するとともに、地域の利便性や成長力の向上、新しい分野での雇用創出を図り、県民が安心して安全に暮らせる元気な佐賀県を目指してまいります。
ここで、今回の緊急総合対策の実施と関連しまして、「佐賀県行財政改革緊急プログラムVer.2.0」及び「佐賀県総合計画2007」について申し上げます。
県では、厳しい財政状況の下、財政の健全化を図るとともに「佐賀県総合計画2007」に掲げる事業を着実に実施していくため、「緊急プログラム」に基づき、当面の財源対策に取り組むとともに、持続可能な地域経営への道筋をつけていく取組を進めてまいりました。
しかしながら、急激に県内景気が悪化する中、何よりも県民のくらしや地域経済の安定を第一と考え、緊急総合対策を「緊急プログラム」における財政フレームの外枠として実施することとし、これに伴い、「緊急プログラム」を見直すこととしました。
見直しの内容につきましては、
・ |
緊急総合対策を、平成22年度までの3年間の公共投資の総額を定めた総額調整ルールの外枠とするとともに、公共投資以外の歳出についても、追加で実施すること |
・ |
緊急総合対策以外の歳出については、「緊急プログラム」の歳出枠を維持することとし、さらなる歳出抑制を行わないこととすること |
・ |
その結果、「緊急プログラム」における当面の財政運営の目標である平成22年度末の財源調整用基金の残高の目標を変更すること |
とし、経済情勢を踏まえて柔軟に対応していくというものです。
中長期的に財政を健全化していくという基本的な方向性は変わるものではありませんが、当面の財政運営について、こうした見直しを行うこととし、「緊急プログラム」を「Ver.2.0」から「Ver.2.1」に改訂することといたしました。
また、「佐賀県総合計画2007」につきましても、目指す姿である「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」に到達するため、新たに取り組む項目や、充実させる必要のある項目を「充点項目」と位置づけ、その着実な実施に努めてまいりましたが、これらにつきましても、現下の社会経済状況を十分勘案の上、必要な項目については、実施手法や工程の見直しを行ってまいりたいと考えております。
次に、地方分権改革の推進について申し上げます。
地方分権改革につきましては、昨年12月、政府の地方分権改革推進委員会の第2次勧告が行われたところですが、改革の本丸とも言える「自治事務に対する義務付け・枠付け」について、約4,000条項に上る見直しが示されたことは高く評価できるものであり、条例制定権・自治立法権の大幅な拡充につながることを期待するものであります。
一方、国の出先機関改革については、単なる「看板の付け替え」にならないよう、国から都道府県への権限移譲を進めるなど、今後の具体化について、しっかりみていく必要があるものと考えます。
今春予定されている税財政制度に関する第3次勧告を経て、最終的な政府の意思決定である地方分権改革推進計画が策定される運びとなりますが、この計画が「地方政府」の確立につながるものとなるよう、県議会の皆様をはじめ、関係者の皆様との連携をさらに強化しながら運動を展開してまいりたいと思います。
次に、粒子線がん治療施設の立地に向けた取組について申し上げます。
平成25年春に、鳥栖市での開設を目指して準備を進めております粒子線がん治療施設につきましては、昨年12月、経済界、医療界、大学及び行政関係者からなる事業推進委員会が発足し、早期の事業計画案策定に向けて、検討の詰めが行われているところであります。
また、去る1月21日には、千葉市にあります独立行政法人放射線医学総合研究所と佐賀県との間で協力協定を締結いたしましたが、同研究所が地方自治体と協定を結ぶのは今回が初めてであり、今後、人材の育成・確保の面を中心に、様々な形での協力、助言等をいただきながら、計画をより確かなものにしてまいりたいと考えております。
今後も、より多くの方々に粒子線がん治療の有効性を知っていただくための広報活動などとあわせ、開設に向けた具体的な取組を進めてまいります。
最後に、暴力団排除の取組について申し上げます。
県が管理している佐賀市内の国有地を暴力団事務所が占用していた事案につきましては、占用許可の取消処分及び建物の撤去命令などを行った結果、昨年12月17日に暴力団関係者の退去を、去る1月27日には、暴力団と関係のない第三者への建物売却を確認したところであります。
また、みやき町の元民間保養施設について指定暴力団道仁会関連施設として改修工事が進められている問題につきましては、地元の皆様の運動の盛り上がりや関係市町の素早い対応などにより、今のところ、その動きは止まっているものと認識しておりますが、解決までには至っておりません。
県といたしましては、引き続き地元住民や市町の活動を支援しながら、警察や弁護士会、佐賀県暴力追放運動推進センターなどの暴力追放団体と一体となって、暴力団の進出を完全に阻止し、安全で平穏な県民生活をとり戻すため全力で取り組んでまいります。
また、県民の間に暴力団排除の機運が高まる中、新たな事務所等の開設防止を図るため、県内における不動産の取引に関し、不動産所有者の努力義務などを定める「佐賀県暴力団事務所等の開設の防止に関する条例(案)」を今議会に提案し、審議をお願いしているところであります。
続きまして、提案事項についてご説明申し上げます。
まず、平成20年度補正予算案及び関連議案の概要について申し上げます。
今回の補正予算の編成にあたりましては、国の第2次補正予算に呼応して実施する県の緊急総合対策のうち、平成20年度に実施する必要のある事業について所要額を計上することといたしました。
なお、このような本県の対策をできる限り早期に実施し効果をあげることができるよう、そのための関連法案が、早急に成立することを強く望むものであります。
今回提案いたしました平成20年度2月補正予算案の総額は、歳入歳出とも、それぞれ
一般会計 |
約 |
318億 |
600万円 |
特別会計 |
|
10億 |
8,800万円 |
となり、これを既定の予算額とあわせますと、本年度の予算総額は、
一般会計 |
約 |
4,316億 |
2,500万円 |
特別会計 |
約 |
932億 |
5,500万円 |
となっております。
以下、補正予算案の主な内容について申し上げます。
中小企業の金融対策につきましては、県内中小企業者の資金繰りを支援するため、県制度金融の経営安定のための緊急対策融資について、貸付の増加に対応して預託額を増額することとしました。
雇用対策につきましては、離職を余儀なくされた非正規労働者、中高年齢者等の失業者に次の雇用までの短期の雇用・就業機会を創出・提供する事業を行うため、佐賀県緊急雇用創出基金を設置することとしました。
また、地域の実情に応じて、失業者等地域の求職者に継続的な雇用機会を創出する事業を行うため、佐賀県ふるさと雇用再生基金を設置することとしました。
これらの基金を活用して、今年度から平成23年度にわたり、緊急に対応すべき事業を実施し、雇用・就業機会の創出を図ることとしております。
子どもを安心して育てることができる環境整備につきましては、保育所の整備や、認定こども園、放課後児童クラブの設置促進を図るため、「佐賀県安心こども基金」を設置することとしました。
消費者行政の推進につきましては、近年の消費者を巡る様々な問題に対する県民の関心の高まりを踏まえ、消費生活相談窓口の機能強化等を図るため、「佐賀県消費者行政活性化基金」を設置することとしました。
自然環境の保全につきましては、来訪者の増加等により環境悪化が懸念される唐津市の樫原湿原について、駐車場の保全地域外への移設や環境保全型トイレの整備を行うこととしました。
低炭素社会に向けた取組につきましては、県立学校等において、更新時期を経過している照明器具について、全て省エネルギー型に切り替えることとしました。
新型インフルエンザ対策につきましては、発生した場合の被害を最小限に抑え県民の安全・安心を確保するため、医療機関や警察活動で使用する個人防護具等の整備、タミフルなど抗インフルエンザウイルス薬の県人口の50パーセント相当分の備蓄など、平成21年度当初予算とあわせて「新型インフルエンザ対応行動計画」に基づく対策を一括整備することとしました。
介護・福祉分野の人材育成につきましては、介護福祉士等の資格取得を目指す人材の修学を容易にするため、介護福祉士養成施設等に在籍している学生に対し、佐賀県社会福祉協議会を通じ修学資金を貸与することといたしました。
母子保健の充実につきましては、妊婦健康診査の重要性、必要性が高まる中、妊婦の健康管理の充実及び経済的負担の軽減を図るため、「佐賀県妊婦健康診査支援基金」を設置し、市町が実施する妊婦の健康診査事業に対し補助することといたしました。
障害をお持ちの方の自立支援につきましては、平成20年度までとされていた障害者自立支援法の円滑な実施に向けた緊急措置が平成23年度まで延長されるとともに、新たに福祉・介護人材の確保を図る措置が盛り込まれたことに伴い、「佐賀県障害者自立支援対策臨時特例基金」に必要な積み増しを行うことといたしました。
商店街の活性化対策につきましては、佐賀市中心部への「ハローワーク佐賀」の移転が決まったことを受け、その利用者を商店街に呼び込み、活性化につなげるため、商店街組合が事業主体となって駐車場兼コミュニティ広場を整備する事業に対し、佐賀市と一体となって支援することといたしました。
情報化政策につきましては、テレビ放送のデジタル化対応を円滑に進めるため、地形的な条件等により家庭用アンテナでは地上デジタル放送を良好に受信できない地域について、共同受信施設の改修・新設及びケーブルテレビのエリア拡大に対して助成することとしました。
また、産業基盤の充実と高度情報化の推進を図るため、ケーブルテレビ事業者が行う、超高速のブロードバンド及びデータ放送のサービス提供のための設備整備に対して助成することといたしました。
県有施設の耐震化につきましては、耐震診断の結果を踏まえ、耐震性が不足している施設について計画的な耐震改修に取り組んでおりますが、耐震補強工事については、平成27年度までという目標を2年間前倒しして、平成25年度までに完了することを目標に、多くの人が利用する施設や、防災上重要な施設など優先度の高いものから実施することといたしました。
農地等の防災・保全対策につきましては、農業用水路の機能及び洪水時の一時貯留機能を有する佐賀平野のクリークを対象として、従来実施している恒久対策としての護岸整備のほかに、法面の崩壊などにより隣接する道路の安全通行に支障をきたすおそれのある箇所について、上流で切り出した間伐材を活用した緊急整備を実施することといたしました。
交通安全対策につきましては、県民生活の安全・安心を確保するため、整備の必要性が高い箇所への交通信号機新設や、視認性が高く消費電力が少ないLED式灯器への更新など、交通安全施設の集中的な整備を行うこととしております。
以上、補正予算案の主な内容について申し述べましたが、これに対する一般会計の歳入財源といたしましては、
国庫支出金 |
約 |
177億 |
8,100万円 |
繰入金 |
約 |
9億 |
7,800万円 |
諸収入 |
|
122億 |
5,800万円 |
県債 |
|
7億 |
8,100万円 |
その他 |
約 |
|
800万円 |
計 |
約 |
318億 |
600万円 |
となっております。
次に、予算外議案といたしましては、補正予算に関連する条例案として、「佐賀県緊急雇用創出基金条例(案)」など6件となっております。
これらの条例案につきましては、いずれも、国の第2次補正予算で措置される交付金を受け入れ、それぞれの目的に沿った事業を行うための基金の設置、積み立て、管理等について必要な事項を定めるものであります。
次に、平成21年度当初予算案について申し上げます。
我が国経済が急速に悪化する中、国の平成21年度予算につきましては、財政規律を維持する観点から「基本方針2006」等に基づく改革を継続しつつも、国民生活と日本経済を守るための施策を実行する「生活防衛のための大胆な実行予算」として編成されたところであります。
平成21度の地方財政につきましては、景気後退等に伴い地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が急激に落ち込む中で、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移すること等により、財源不足が大幅に拡大するものと見込まれております。
このため、定員の縮減・給与構造改革等による給与関係経費の抑制や地方単独事業費の抑制を図ることとする一方、極めて厳しい財政運営を強いられている地方の切実な声を踏まえ、雇用創出などに適切に対応するため地方交付税が増額されたところです。
本県の財政状況につきましては、平成20年度末の県債残高が予算規模を大きく上回る6,549億円に達する見込みであることに加え、平成16年度以降、国の財政構造改革の一環として、地方交付税や臨時財政対策債が見込みを大幅に上回って削減されてきたことにより、非常に厳しい財政状況となっております。
こうした状況を踏まえつつ、県民のくらしや地域経済の安定確保を第一に据え、金融・雇用・経済対策に最優先で取り組む方針の下、「佐賀県行財政改革緊急プログラムVer.2.0」を一部見直すとともに、
・ |
平成20年度補正予算とあわせ、緊急総合対策に基づく施策を切れ目なく講じていくこと |
・ |
「佐賀県総合計画2007」及び各本部の経営戦略に基づき、自らの権限と責任において、伸ばすものは伸ばし、見直すものは積極的に見直すなど、メリハリのきいた予算とすること |
などにより予算編成を行ったところであります。
この結果、平成21年度当初予算案の総額は、歳入歳出とも、それぞれ
一般会計 |
|
4,250億 |
7,000 |
万円 |
特別会計 |
約 |
1,114億 |
9,400 |
万円 |
となっており、一般会計におきましては、前年度当初予算と比較して、8.2パーセントの増と、当初予算としましては9年ぶりにプラスに転じました。
次に、当初予算案のうち緊急総合対策にかかるものについて申し上げます。
中小企業の金融対策につきましては、県内中小企業者の資金繰りを支援するため、経営安定のための緊急対策融資を引き続き実施するなど県制度金融について十分な融資枠を確保することといたしました。
また、経営革新や農商工連携など、新製品・新技術の開発や販路開拓に積極的に取り組む中小企業者を支援するため、県制度金融の貸付対象を拡大するなど、所要の措置を講じることといたしました。
雇用対策につきましては、失業者等に対する雇用及び就業機会の創出を図るため、「佐賀県ふるさと雇用再生基金」及び「佐賀県緊急雇用創出基金」を活用し、県及び市町において、地域における創意工夫を生かしつつ、県内各地域の実情に応じた雇用創出事業を実施することとしております。
また、職業能力の開発促進につきましては、派遣労働者等を始めとして今後更なる離職者の増加が見込まれることから、雇用の受け皿として期待できる情報技術分野・介護分野を中心に、職業訓練の科目・内容を大幅に拡充することとしました。
子育てにやさしい環境づくりにつきましては、子どもの年齢や保護者が働いているかどうかにかかわらず、幅広く子どもたちを受け入れることのできる「認定こども園」の県内全域での普及を促進するため、「佐賀県安心こども基金」を活用して「認定こども園」の運営費を助成することといたしました。
中小企業の経営力向上につきましては、情報通信技術を高度に利活用することによる業務効率化や、経営力の向上につなげるため、専門家による情報通信技術導入の支援や人材育成を集中的に実施することといたしました。
中小企業の新製品、新技術の開発支援につきましては、県内企業の技術革新や新事業の創出につなげるため、産学官のチームを形成し、ニーズの掘り起こしから、大学等の研究成果の橋渡し、研究開発、販路開拓までを見据えた一貫支援を行うこととしております。
また、熟練職人の不足など、陶磁器業界が抱える課題への対応を支援するため、窯業技術センターに、陶磁器のデザインから型製作に至る工程をデジタル化・自動化するシステムを導入することとしました。
農山村地域の活性化対策につきましては、イノシシによる農作物被害の防止を図るため、繁殖前の春先にイノシシの集中捕獲を実施することにより生息数の大幅減少を図ることといたしました。
森林資源の循環利用の推進につきましては、森林の持つ公益的機能の維持増進を図るため、竹の侵入により荒廃したスギやヒノキなどの人工林を対象として、竹の伐採、整備を行うことといたしました。
情報化政策につきましては、住みやすい生活環境の実現と地域活性化を図るため、超高速のブロードバンドやケーブルテレビ放送等の情報通信基盤を活用して、住民の情報通信技術利活用能力の向上、地域ポータルの開発導入、特産物の電子商取引など、地域高度情報化のモデル構築に取り組むことといたしました。
次に、当初予算案のうち緊急総合対策以外の主な内容について「総合計画2007」に掲げた6つの柱に従って申し上げます。
まず、『健康で暮らしやすい佐賀県』について申し上げます。
子育てにやさしい環境づくりにつきましては、佐賀県次世代育成支援地域行動計画に基づき、県内どこにいても安心して子育てができる環境づくりに努めているところですが、このうち、放課後児童クラブについて、大規模クラブの規模の適正化を図るとともに、必要とされるすべての小学校区への設置や、開設時間の延長・土曜日の開設など、内容の充実に引き続き取り組むこととしております。
食育の推進につきましては、来年6月に本県で開催する「第5回食育推進全国大会」の成功に向けて、市町や関係団体と協働しながら、大会の企画立案、地区プレイベントの開催、広報活動などに取り組み、全国大会に向けた機運づくりと食育県民運動の一層の推進を図ってまいります。
県民協働の推進につきましては、本県におけるCSO(市民社会組織)活動のさらなる活性化を図るため、全国の地域づくり団体、自治体職員等が集い、情報交換や討議を行う「第27回地域づくり団体全国研修交流会」を開催することといたしました。
障害児福祉の充実につきましては、各地域における療育支援機能の充実を図るため、県内の保育士、幼稚園教諭を対象に、専門的知識、技能を習得させる研修をスタートさせ、地域の療育指導者の育成に取り組むことといたしました。
県立病院好生館につきましては、移転改築に向けて病院建物の実施設計を行うとともに、移転予定地の造成工事を行うこととしております。
また、平成22年度からの地方独立行政法人への移行に向け、人事給与、財務会計のシステム開発等に要する経費を計上しております。
水害の予防保全につきましては、低平地に起因する浸水被害から県民の生命・財産を守るために大きな役割を果たしている排水機場について、老朽化が進行していることから、確実な施設機能の確保のため、長寿命化計画を策定することとしております。
地域の治安の確保につきましては、建物が狭隘かつ老朽化している小城警察署について、平成24年度までの4か年をかけて改築し、住民サービスの向上及び職場環境の改善を図ることとしております。
次に、『誰もが活躍できる佐賀県』について申し上げます。
就職の促進と就業環境づくりの支援につきましては、正社員としての就職を目指す者や非正社員の正社員への転換を図るため、国の教育訓練給付制度の受給資格のない非正社員や求職者が、民間の教育訓練を受講した場合に助成金を支給し、自発的な技能の向上を支援することとしています。
また、若年者に対する総合的な就職支援センターとして佐賀市に設置している「ジョブカフェSAGA」について、新たな窓口を唐津市に開設し、カウンセリングや面接指導等を実施することにより、県北部地域での若年者の就職支援体制の強化を図ることといたしました。
次に、『地球環境時代のトップランナー佐賀県』について申し上げます。
地球温暖化対策につきましては、低炭素社会の実現に向けて県民のライフスタイルの見直しが必要と考えており、そのための具体的な実施計画を策定の上、温暖化対策を総合的に進めることとしております。
その一環としまして、県民一人ひとりの地球温暖化問題に対する意識づくりや生活態度の見直しが進み、県民運動につながっていくよう、環境問題への関心を高めるための「SAGAエコ環境展」の開催、一人ひとりが二酸化炭素削減の具体的行動を実践していく「エコチャレンジ運動」の推進、さらには、二酸化炭素の排出量の少ない電気自動車等の率先導入などに取り組むこととしております。
有明海の再生につきましては、有明海湾奥部の海域環境の改善と二枚貝類の回復が急務となっていることから、有明海湾奥部の海域の特性に応じた総合的な再生方策の検討のための取組を進めることといたしました。
この取組の中で得られた知見も踏まえ、農林水産省が実施する「開門調査のための環境アセスメント」に対して意見を述べ、環境アセスメントが確実に開門調査につながるよう取り組んでまいります。
新エネルギーの導入促進につきましては、燃料電池に代表される新エネルギー関連分野の産業集積を目指し、県内企業の優れた技術を活かした研究開発を引き続き支援するとともに、次世代の車である燃料電池自動車を紹介するためのイベントを開催することとしております。
また、県内に多く発生している稲わら、麦わら、草、木材等のバイオマスのエネルギー利用につきましては、事業化に向けた実証試験を目指し、草木系バイオマスの利用可能量や最適なエネルギー転換技術に関する調査を実施することとしております。
森林・緑の保全につきましては、森林の持つ多様な機能を十分に発揮させ、安全・安心な県民生活と自然環境の保全のため、「佐賀県森林環境税」を財源として県、市町及び県民の協働により荒廃森林の再生等に取り組むこととしております。
次に、『学びきらめく佐賀県』について申し上げます。
基礎学力の定着と個性を生かす教育の推進につきましては、これまで、一人ひとりを大切にした、きめ細かな指導に取り組んでまいりましたが、中学校第1学年において不登校が急増するなどのいわゆる「中1ギャップ」問題に対応し、学力向上の前提となる生徒指導面の充実を図るため、新たに、中学校第1学年に35人以下の小規模学級又はティームティーチングを選択できる制度を導入することといたしました。
あわせまして、近年、中学校における不登校生徒数が増加していることから、不登校生徒の割合の高い中学校を対象として、対策の要となる教育相談主任の機能強化のための非常勤講師配置や、スクールカウンセラーの重点配置など、学校の指導体制強化と不登校生徒に対するきめ細かな対応を図ることにより、新たな不登校を生まないよう支援してまいります。
また、地域が抱える教育課題の解決に自律的・主体的に取り組む小中学校や市町教育委員会を支援し、教育の振興を図るため、魅力ある学校づくりに取り組んでいくこととしました。
特別支援教育の推進につきましては、より身近な地域の学校で教育を受けられるようにするため、「佐賀県特別支援教育推進プラン」に基づき、平成23年度までに、中原養護学校に知的障害及び肢体不自由の小・中・高等部、並びに病弱の高等部を、また、伊万里養護学校に肢体不自由の小・中・高等部を段階的に設置することとしております。
今年4月には中原養護学校に知的障害の小学部を設置いたしますが、今後の段階的な設置に向け校舎増築の実施設計などを行うこととしております。
教育環境の整備につきましては、県立学校について、校舎等の耐震化を進めるとともに、段差解消等のユニバーサルデザイン整備について、引き続き計画的に進めていくこととしております。
「九州・山口の近代化産業遺産群」の世界遺産登録に向けた取組につきましては、九州・山口の関係六県による一体的な取組として進めておりますが、今後は、非西洋地域において最初でかつ極めて短期間に飛躍的な進展を遂げた日本の近代工業化の起点となる佐賀県の産業遺産の解明が重要になってくるものと考えております。
このため、引き続き関係県とともに取組を進める一方で、幕末・維新期の産業遺産など県内遺産に関する調査・研究や、登録に向けて県民を挙げた取組となっていくよう機運を盛り上げていくことなど、関係市はもとより県民の皆様と一体となった本県独自の取組を進めてまいります。
文化の振興につきましては、博物館施設における企画展として、名護屋城博物館では、「肥前名護屋城と『天下人』秀吉の城」を、また、佐賀城本丸歴史館では開館5周年を記念しまして、「近代との遭遇―世界を見る・日本を創る―」を開催することといたしました。
また、先月、故青木龍山先生のご遺族から、貴重な遺作等70点を佐賀県にご寄贈いただいたところですが、今回の寄贈を記念しまして、九州陶磁文化館において、来る6月から7月にかけて、寄贈作品を中心とした展覧会「青木龍山展」を開催することとしております。
スポーツの振興につきましては、本年7月25日から8月10日にかけて、約40か国から多数の選手の参加のもと唐津市で開催される「市民がつくる2009年レーザーラジアルヨット世界選手権大会」について、大会の円滑な開催を通じ、本県のヨット競技力向上などにつながるよう必要な支援を行うこととしております。
次に、『活力あふれる佐賀県』について申し上げます。
企業誘致の推進につきましては、県西部地域において、大規模な雇用の確保と地域経済の活性化を図るため、新規工業用水道を整備する伊万里市に対し、同市が支払う予定の企業債償還金の一部を助成することとしました。
有田窯業大学校につきましては、本年4月から修業年限4年制の課程を新設することに伴い、必要となる校舎や設備の整備費を計上しております。
農商工連携の推進につきましては、本県の豊かな農林水産資源を活用した農商工の連携による新たな事業化を促進するため、独立行政法人中小企業基盤整備機構、県、さらには地元金融機関との協働により「農商工連携応援ファンド」を造成し、その運用益により中小企業者と農林漁業者とが連携して行う新商品開発や販路開拓等の取組を支援することといたしました。
新県産米のマーケット確立につきましては、今年から本格的に作付される米の新品種「佐賀37号」について、現在、品種登録などの準備を進めているところでありますが、このお米が広く県民の皆様に愛され、県民米として定着させるとともに、県外でも評価を高めるため、生産者団体と一体となって、戦略的な宣伝広報活動や、県内外の量販店など主力取引先に対する積極的な販売対策を講じてまいります。
観光の振興につきましては、九州観光推進機構や市町、観光施設などとも連携を図りながら国内・海外からの観光客誘致に取り組んでまいります。
特に、平成23年春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開通に伴う新鳥栖駅(仮称)の開業、山陽新幹線との相互乗り入れスタートを見据え、開業効果を佐賀県内へ呼び込むため、関西地区、中国地区への誘客宣伝活動を強化していくこととしております。
競争力のある売れる農産物の生産振興につきましては、水田農業の担い手の経営の安定と競争力のある米・麦・大豆づくりの推進のため、超省エネ・低コスト化や省資源・環境保全型農業の拡大の取組等に必要な機械の整備、さらには新品種の導入などの取組に対し、助成する制度を創設することといたしました。
また、園芸農業の持続的な発展を図るため、有機栽培・特別栽培等の環境保全型園芸農業や脱石油・省石油等の省資源型園芸農業の取組拡大、さらには、新たに園芸農業に取り組む生産者の育成や経営規模の拡大などに必要な機械・施設等に対し、助成する制度を創設することといたしました。
さらに、配合飼料価格の高騰に対応するための飼料自給率の向上に向けた取組や、「佐賀牛」の一層の銘柄確立を図るための繁殖雌牛の導入など県内産肥育素牛の生産拡大に向けた取組に対し、助成することとしております。
元気な農業経営者の育成につきましては、新規就農者の確保・育成のため、農家の後継ぎや農業外からの参入者、団塊の世代などの幅広い就農希望者を対象とした啓発活動や栽培技術習得のための研修を引き続き実施することといたしました。
水産業の振興につきましては、玄海地域において、水産資源の回復対策として、藻場(もば)の造成等の漁場整備、マダイ等の種苗放流に加え、新たにカサゴの種苗放流に取り組んでまいります。
また、水産加工残渣の安定処理と高度利用を促進するため、唐津水産加工団地協同組合のフィッシュミール加工場の施設整備に対し、助成することとしております。
有明海地域においては、魚介類の資源回復を図るため、引き続き、「海底耕うん」や「ナルトビエイ」の駆除など、漁場環境の改善対策に取り組むこととしています。
また、昨年7月の農林水産大臣による「有明海再生に向けた取組を拡充・強化する」との談話に基づく国の新規事業を活用して、これまで県が独自に実施してきたアゲマキやガザミ等の種苗放流技術の開発など、様々な取組を加速化し、資源回復方策の早急な確立を目指してまいります。
さらに、ノリ養殖につきましては、生産コストの削減と生産性の向上等を図るため、協業化施設の整備に対し、引きつづき助成することとしております。
最後に、『未来ひろがる佐賀県』について申し上げます。
九州新幹線鹿児島ルート及び西九州ルートの開業に向けた取組につきましては、新幹線を活用した地域の取組のリーダーとなるような人材育成のための研修や、新幹線を活用するための地域の主体的なプランづくりに対する支援を行うことといたしました。
また、平成21年度からの西九州ルートの用地買収に備え、県が用地事務を行うことにより、円滑な事業推進を図ることとしております。
幹線道路網の整備につきましては、県内の主要都市を結び、北部九州の広域的な高速交通網を構築する西九州自動車道、佐賀唐津道路、有明海沿岸道路の整備を引き続き推進し、西九州自動車道の二丈鹿家インターから浜玉インター間におきましては、年内の供用開始を予定しております。
有明佐賀空港につきましては、昨年11月の東京路線の増便をはじめ、北部九州3空港の相互利用の開始、リムジンタクシー運行エリアの拡大などによる利便性の向上を活かし、県民の皆様に有明佐賀空港を自分の空港として積極的にご利用いただけるよう「マイエアポート運動」を推進することとしており、平成22年10月末に予定されている羽田空港の新滑走路の供用開始後における東京路線の増便の実現に向け、今後とも利用者数の増加を図ってまいります。
港湾の整備につきましては、伊万里港において、コンテナ船の大型化に対応するため、七ツ島地区の埠頭整備を進めるとともに、唐津港においては、物流機能強化や大型旅客船の受け入れに対応するとともに、県内初の耐震強化岸壁として、「マイナス九メートル岸壁」の整備を国と連携して進めてまいります。
情報化政策につきましては、費用対効果の高い全国最先端の電子県庁を実現するため、庁内の個別の情報システムの統合を段階的に進めることとしており、新しい職員ポータルシステム等の詳細設計・開発、並びに財務経営システムの基本設計を行うとともに、これらの情報化に対応していくための人材を計画的に育成していくことといたしました。
税収の確保につきましては、税源移譲による個人住民税の増加に伴い、その徴収対策の重要性が高まっていることから、県と市町が共同して「佐賀県滞納整理推進機構」を設置し、滞納額の縮減に取り組むことといたしました。
以上、平成21年度当初予算案の主な内容についてご説明申し上げましたが、これに対する一般会計の歳入財源としましては、
県税 |
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735億 |
2,500 |
万円 |
地方消費税清算金 |
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156億 |
1,700 |
万円 |
地方交付税 |
約 |
|
1,200億 |
600 |
万円 |
国庫支出金 |
約 |
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525億 |
4,600 |
万円 |
繰入金 |
約 |
|
155億 |
3,600 |
万円 |
諸収入 |
約 |
|
424億 |
6,400 |
万円 |
県債 |
|
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846億 |
400 |
万円 |
その他 |
約 |
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207億 |
7,200 |
万円 |
計 |
|
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4,250億 |
7,000 |
万円 |
となっております。
このうち、県税につきましては、最近における経済の動向、過去の実績等を総合的に勘案するとともに、平成21年度地方税制改正案に係る増減収額を考慮して計上しております。
地方交付税につきましては、地方財政計画等をもとに、現段階で見込み得る額を基礎において、所要額を計上するとともに、県債につきましても、国の地方債計画等をもとに、今回計上する事業費の財源として所要額を計上しております。
次に、企業会計として運営しております県立病院好生館につきましては、収益的支出約109億9,500万円、資本的支出約23億2,900万円となっており、これに対し、一般会計から約10億5,600万円を繰り出すこととしております。
工業用水道につきましては、収益的支出約4億6,600万円、資本的支出約4億4,600万円となっております。
次に、予算外議案としましては、条例案として「佐賀県知的財産の創造等に関する基本条例(案)」など21件、条例外議案として「監査委員の選任について」など6件、あわせて27件となっております。
これらの議案につきましては、それぞれ提案理由を記載しておりますので、説明を省略させていただきます。
さて、昨年は、「変」という一文字で象徴された年であったと言われておりますが、今年も、経済金融危機の波が全世界を覆う、大きな変動の中でのスタートとなりました。
厳しい状況下ではありますが、既成の価値観が見直され、時代そのものが大きく転換しようとしているこの時期こそ、今後の社会のあり方を見据えた新たな活力の芽生えにつなげる機会であるとも言えます。
そのような認識のもと、時代を見極めて、スピーディーに施策を打ち出していくことに意を用いながら、しっかりと足元を踏みしめてまいりたいと思います。
こうした県政の「確かな歩み」が、県民の皆様の「豊かなくらし」につながって、振り返ったときに「光の見える年」であったと誰もが言える、そういう年にしたいと考えているところです。
どうか、議員各位、並びに、県民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
以上、私の所信と今回提出しました議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
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