「そもそも司法は、フェアプレーの精神ではなくてはいけない。捜査は堂々と手続きを踏んでやるべきで、そうやっていけば世の中の人も警察はよくやっていると言うでしょう。もし、この法案が通れば、これまでの捜査のやり方が180度転換することになる。手間ひまかけた地道な捜査ではなく、手っ取り早く盗聴で捜査をやる。盗聴はフェアな捜査とは言えない」(救援新聞6月15日付に掲載)-元札幌高等検察庁検事長の佐藤道夫さんは「盗聴制度は必要ない」と、強調しています。
いま、参議院で審議がはじまっている「組織的犯罪対策法(盗聴法)案」は、衆議院での審議を通じて、司法関係者、マスコミ、文化人をはじめ国民の間で、急速に反対の声が広がっています。
同法案は、衆議院での採決にあたり、一部修正され、薬物や銃器犯罪などに対象をしぼったから一般国民には関係ないと説明していますが、この保障はどこにもありません。そればかりか、警察に事前盗聴、別件盗聴、試し聞きまで許されるようになります。また、立会人をおくからプライバシーの侵害にならないといっていますが、立会人には盗聴の内容は知らされず、盗聴の切断権すら与えられていません。 私たちは、一人ひとりの人権がひとしく尊重され、自由闊達な討論と交流がおこなわれる社会を望みます。
私たちは、一般国民の通信を警察が盗聴することは断じて許しません。
つきましては、貴議会が憲法違反の「組織的犯罪対策法(盗聴法)案」を制定しないよう内閣総理大臣、法務・自治大臣に意見書を提出されますよう請願いたします。 |