議案等の審議結果
平成27年11月定例県議会
請願と採決状況
請第7号
不採択
TPP交渉に関する請願
請願趣旨
[請願趣旨]
TPP参加国は、10月5日に「大筋合意」、11月5日に「暫定文書」を発表した。
「大筋合意」は、米国・豪州産米合わせて7.8万トンの「特別輸入枠」の設定を
はじめ、牛肉の関税を15年かけて38.5%から9%へ引き下げ、豚肉の関税1キロ
あたり最大482円から10年後には50円に引き下げ、麦の事実上の関税のマーク
アップを45%削減、米国、オーストラリア、ニュージーランドにバター・脱脂粉乳の
輸入枠を設定、甘味資源作物の特別輸入枠の新設など農産品重要5品目すべてで
譲歩するとともに重要5品目の細目(タリフライン)の3割で関税撤廃としている。
国会決議は、重要5品目については関税の撤廃だけでなく削減も行わない「除外」
であり、これが満たされない場合は交渉からの撤退を明記しており、国会決議違反は
明白である。
さらに、重要5品目以外の野菜、くだものや林産物水産物の98%で関税撤廃に
まで踏み込んでいることは重大で、日本の農林水産業への影響は計り知れず、食料
自給率をさらに引き下げ、日本を「存立危機事態」へと追い込むものである。
また、日本農業へ壊滅的打撃を与えるだけでなく、医療分野への営利企業の参入、
食の安全の侵害、さらには国有企業の規定やISDS条項など地域経済、国民生活
全般にわたって深刻な悪影響を及ぼすとの懸念の声に対して、政府は「指摘された
多くの懸念にはあたらない」として国民の不安の声に応えようとする姿勢はない。
政府は、自民党の選挙公約も、自民党が主導して行った衆参農林水産委員会の
決議も無視して「合意」しながら、「巨大な経済圏ができる」「TPPは21世紀の世界の
ルールになる」などと、幻想だけをふりまいている。こんな姿勢は、とうてい許される
ものではない。政府は、「合意」を撤回すべきである。ましてや、この「合意」に基づく
TPP協定への調印、批准は認められない。
以上の趣旨から、下記の事項について意見書を政府関係機関に提出することを
請願する。
[請願項目]
1、TPP「大筋合意」の詳細と協定本文を速やかに開示し、国会・国民の議論を保証
すること。
2、国会決議に違反する「合意」は撤回し、協定への調印・批准は行わないこと。
平成27年12月3日
佐賀県議会議長 中倉政義 様
請願者 小城市三日月町久米1825-1
農民運動佐賀県連合会 会長 福島是幸
紹介議員 武藤明美、井上祐輔