昨年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社JCO東海事業所で、日本で初めての臨界事故が発生し、死亡・重体等の3人をはじめ多数のJCO関係者、消防隊員、近くの住民が被爆する重大事故となった。
この事故に伴って、周辺住民の避難や半径10キロ圏内住民の屋内待避が勧告されるとともに、周辺道路の通行禁止、学校や事業所等の臨時休校・休業など地域社会や地域経済に大混乱をもたらし、その影響は大きく広がった。
また、国の原子力政策に対する国民の不信や不安も一気に高まっている。佐賀県は玄海町に原子力発電所施設が稼働しており、県民の不安の声も広がっている。
こうした中、九州電力は国のプルサーマル計画に沿って、「2003年か2004年までにはプルサーマルを実施したい」と昨年11月12日の記者会見で明らかにしたが、プルサーマルについては、国民の間で評価が定まっておらず、意見が分かれている。
よって、政府におかれては、下記の事項を実現されるよう、強く要望する。
記
1.東海村臨界事故の徹底的究明と事故に関する全ての情報を公開すると ともに、原子力安全委員会、科学技術庁、通産省などの安全審査、監督 指導態勢の見直しと抜本的改善を図ること。
2.事業者並びに国、県、市町村の通報、連絡調整や住民への伝達・広報 の在り方や体制を見直し、実態に即した改善を図ること。
3.放射線防護服など原子力防災資機材は第一義的に関係市町村に配備 することを基本として早期に充実を図ること。
4.原子力行政を公開の原則を基本に見直しを図ること。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成12年3月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 小 渕 恵 三 様
通商産業大臣 深 谷 隆 司 様
自 治 大 臣 保 利 耕 輔 様
科学技術庁長官 中 曽 根 弘 文 様
以上、 意見書案を提出する。
平成12年3月22日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
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