急速な高齢化に対応した21世紀の福祉社会を構築するためには、高齢者・障害者はもとより、乳幼児を連れた人や外国人を含め、誰もが大きな支障を感じることなく自由に移動し、より積極的に社会参加できる環境づくりを進めることが重要である。
移動にかかる制約 (モビリティ・ハンディキャップ) の克服については、 これまで駅のエレベーター等の設置に対する国費の補助等や、バスのバリアフリー化への助成が行われてきたが、現状では十分といえず、また、 点字ブロックや踏切の欠陥などによる事故も後を絶たないなど、公共交通機関にはいまだに多くの課題が残されている。
ノーマライゼーションの理念から、すべての移動制約者に対応できるようなノンステップバスなどの導入促進をはじめ、段差の解消や各種案内の充実など人に優しいターミナルへの改良、リフト付きタクシーの導入促進などスペシャル・トランスポート・サービスの充実等を内容とする交通体系の見直しや交通アクセスを保障する総合的な法整備が強く求められる。
さらに、駅前広場や周辺道路、駅ビル等関係方面との連携のもとに駅周辺整備を図るなど、地域づくりと一体となり、まち全体として円滑な移動を保障していくことや、交通ボランティア活動の普及促進や介助犬の交通車両への乗り入れなども求められる。
よって、政府におかれては、移動に制約を持つすべての人に対し、交通機関を利用する際の利便性を確保し実効性のある改善を図るため、ノーマライゼーションの理念に立った交通機関のバリアフリー化を推進するとともに、国・地方公共団体・事業者の責務を盛り込んだ交通バリアフリー法を制定されるよう強く要望する。
以上、 地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成11年12月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 小 渕 恵 三 様
運 輸 大 臣 二 階 俊 博 様
建 設 大 臣 中 山 正 暉 様
自 治 大 臣 保 利 耕 輔 様
以上、 意見書案を提出する。
平成11年12月16日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
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