森林は、林産物の供給をはじめ、国土の保全、水資源のかん養等の公益的機能の発揮を通じて、豊かで安全な国民生活に貢献している。
しかしながら、これまで森林を守り育ててきた林業・木材産業は、木材価格の長期にわたる低迷、山村地域の過疎化、担い手の減少、高齢化等から、かつてないほど厳しい状況に置かれており、手入れ不足の森林の増加や放置が懸念されている。
このような状況を打開するため、森林を循環型社会の資源として位置付け、新たな森林・林業政策を展開する必要がある。そのためには、林業基本法の見直しをはじめとする関係法令の整備を行うとともに、所要の財政措置を講じ、森林の持つ多様な機能を持続的に発揮させるための森林の整備を進めることが重要である。
よって、政府におかれては、かかる状況を御賢察の上、森林・林業・木材産業基本政策に当たっては、下記の事項について措置されるよう強く要望する。
記
1.森林の持つ多面的機能を高度に発揮させるため、森林の整備を着実に進めるとともに森林の管理体制の確立を図ること。
2.森林が果たしている公益的機能に対する新たな費用負担制度を導入すること。
3.森林を計画的に整備するため、林業担い手の確保・育成の強化を図ること。
4.森林資源の循環利用を促進するため、木材の新用途開発等、木材の需要拡大を図り、木材の利用を積極的に推進すること。
5.山村地域の活力を維持する観点から、生活環境や生産基盤の整備を図ること。
6.資源循環型特別枠予算を創設すること。
7.林業基本法をはじめとする林政に関する法体系を抜本的に整備し、 確立すること。
以上、地方自治法第99条第2項規定により意見書を提出する。
平成12年3月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 小 渕 恵 三 様
大 蔵 大 臣 宮 澤 喜 一 様
農林水産大臣 玉 沢 徳 一 郎 様
自 治 大 臣 保 利 耕 輔 様
以上、 意見書案を提出する。
平成12年3月22日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
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