平成28年9月定例会 意見書案と採決状況
意第16号
否決
国連での核兵器禁止条約交渉に参加し、核兵器廃絶に積極的役割を果たすことを求める意見書(案)
本年8月19日、核軍備の縮小・撤廃に向けた多国間交渉の前進を図る国連作業部会の最終会合が開かれた。そして、9月に開かれる国連総会に対し、核兵器禁止条約の交渉を2017年に開始するようにとの報告を賛成多数で採択した。
国際司法裁判所の「核兵器の使用・威嚇は一般的に人道法に反する」とした勧告的意見から20年経過したが、未だに核兵器を禁じる国際法は存在しないなか、核兵器禁止条約づくりが動き出せば、核兵器廃絶に向けた大きな第1歩になるだろう。
しかし、日本政府はこの作業部会では、「現在の安全保障環境を考えれば、条約の交渉開始は時期尚早」と主張し、報告書の採決には棄権した。これまでも、核兵器を禁じれば核の抑止力による安全保障のバランスを崩し、世界を不安定にするとの態度を続けてきた。こういう「核抑止力」論では、核兵器廃絶へは何も前進しないということを、この間の経験が証明している。
こうした言動に対し、「唯一の被爆国の政府としてあるまじきこと」との批判の声が国内外に広がっている。
8月6日の広島、8月9日の長崎のそれぞれの原爆記念式典において、安倍首相は「核兵器廃絶」を宣言したはずである。それを言葉だけで終わらせないためにも、9月に開かれる国連総会においては、作業部会での態度を改め、条約成立のために積極的役割を果たすべきである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年 月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 伊達 忠一 様
外務大臣 岸田 文雄 様
以上、意見書案を提出する。
平成28年10月3日
提出者 武 藤 明 美 内 川 修 治 井 上 祐 輔
佐賀県議会議長 中倉 政義 様