独占禁止法の適用が除外されている書籍や雑誌などの出版物の再販売価格維持制度 (再販制度) は、 出版物を全国どこでも同一の価格で提供し、 国民の知る権利や表現の自由、 思想の多様性などの保障に大きく貢献し、 出版物を制作販売する者のみならず、 消費者にとってもなくてはならない制度となっている。
しかし、 規制緩和を理由に出版物の再販制度の見直しが、 平成13年春をめどに、 政府の行政改革委員会の規制緩和小委員会や公正取引委員会の研究会において検討されている。
再販制度が廃止された場合、 企業間競争はさらに強まり、 経営体力のない中小出版社や書店が衰退し、 大手企業による寡占化を促進することになり、 言論、 出版などの表現の自由が損なわれるおそれがある。
また、 地域による価格差が生じるなど消費者に安定的な購入機会を失わせる事により、 文化水準の地域間格差を生じさせるおそれがあり、 規制緩和が必ずしも国民の文化水準の向上や消費者の利益につながらないことになる。
よって、 国会及び政府におかれては、 出版物のもつ文化性、 公共性を十分踏まえ、 将来においても再販制度を存続されるよう強く要望する。
以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成13年3月 日
佐 賀 県 議 会
衆 議 院 議 長 綿 貫 民 輔 様
参 議 院 議 長 井 上 裕 様
内閣総理大臣 森 喜 朗 様
総 務 大 臣 片 山 虎 之 助 様
行政改革担当大臣 橋 本 太 郎 様
公正取引委員会委員長 根 來 泰 周 様
以上、 意見書案を提出する。
平成13年3月22日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
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