日本育英会は、優れた学生及び生徒であって経済的理由により修学困難があるものに対し、学資の貸与等を行うことにより、国家及び社会に有為な人材の育成に資するとともに、教育の機会均等に寄与することを目的に設立された特殊法人である。
政府は、昨年6月に経済財政諮問会議のいわゆる「骨太の方針」において、「教育を受ける意欲と能力がある人が確実にこれを受けられるよう、奨学金の充実」を今後の方向性として示す一方で、行政改革の推進の立場から、現在の日本育英会の組織を廃止し、時代の変化に対応した、より効率的・合理的に奨学金事業を実施できる体制への見直しが必要として、昨年12月に特殊法人等整理合理化計画を閣議決定した。
しかしながら、新たな組織への具体的な道筋が見えてこないため、国民、県民にとっては、日本育英会が廃止されることにより奨学金事業そのものも無くなってしまうのではないかとの不安を募らせている。
国会及び政府におかれては、長引く不況などを背景に、家庭の経済的理由により学費滞納による退学や進学を断念する学生が増加する傾向にある現状や、教育の機会均等を定めた憲法第26条及び教育基本法第3条第2項の規定の趣旨を踏まえ、奨学金制度のなお一層の拡充を行うよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年7月 日
佐 賀 県 議 会
衆 議 院 議 長 綿 貫 民 輔 様
参 議 院 議 長 倉 田 寛 之 様
内 閣 総 理 大 臣 小 泉 純 一 郎 様
総 務 大 臣 片 山 虎 之 助 様
文 部 科 学 大 臣 遠 山 敦 子 様
行政改革担当大臣 石 原 伸 晃 様
以上、意見書案を提出する。
平成14年7月4日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
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