現下における日本の厳しい経済状況の中で、離婚の急速な増加等により、母子家庭は年々増え続け、現在では、実に95万世帯を超えている。
その一方で、母子家庭の平均年収は約230万円と伸び悩み、一般世帯の約3分の1という低い水準にとどまっているなど、母子家庭を取り巻く環境は、非常に厳しい実情にあり、母子家庭への十分な理解と、きめ細かな配慮が必要である。
このような厳しい状況の中で、限られた政府の財政事情を勘案しながら、児童扶養手当制度を安定的に維持しつつ、就労支援をはじめとする母子家庭が自立するための総合的な支援対策に取り組むことが必要である。また、その実効性を確保するための必要な財源の確保と体制整備が必要である。
更に、日本の社会では離婚した場合の養育費の支払い状況が極めて低いという現状がある。離婚をしても自らの子どもを養育する責任があることを明確にするとともに、養育費の確保を確実とするための実効性のある措置が求められている。
よって、国においては、以下の施策の確立を図るよう強く要望する。
記
1.平成15年度予算編成において、児童扶養手当への物価スライドの適用
については、慎重にすること。
2.母子家庭の母親の就労支援や保育サービスの確保など自立のための総
合的な施策の実施を図るために必要な予算を確保すること.
3.養育費の確保のため実効性ある措置を講じること。
4.児童扶養手当についての5年後の減額措置の検討にあたっては、就労支
援等の実施状況や経済社会情勢を十分に勘案すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成14年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆 議 院 議 長 綿 貫 民 輔 様
参 議 院 議 長 倉 田 寛 之 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
財 務 大 臣 塩 川 正十郎 様
厚生労働大臣 坂 口 力 様
法 務 大 臣 森 山 眞 弓 様
以上、意見書案を提出する。
平成14年12月13日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
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