日本経済が混迷を極める中で、中小企業の経営環境は、ますます厳しい状況となっている。市中の金融情勢は、中小企業に対する貸し渋り、貸しはがし、保証渋りなど一部で指摘されている問題により深刻さを極めており、中小企業者にとっては、もはや“待ったなし”の状況である。政府の方針通り、早急に不良債権処理やデフレ対策を進めることは当然であるが、その結果、わが国経済の屋台骨である中小企業への融資を一層滞らせ、結果的に多くの倒産や失業の発生をもたらすことが懸念される。
こうした状況にかんがみ、政府においては、中小企業者に対するセーフティーネット保証・貸付の拡充や資金調達の多様化及び中小企業に対する税制の改革など、あらゆる中小企業支援対策を大胆かつスピーディーに取り組むべきである。
よって、国においては、以下の施策の確立を図られるよう強く要望する。
記
1.依然として厳しい中小企業の資金繰りに対応するため、金融セーフティ
ーネット保証・貸付の拡充を図ること。
2.売掛債権担保融資制度の普及・定着を図るため、中小企業者及び金融機
関への制度や仕組みに関するPRの強化、当該制度の手続きの簡素化など
を促進し、その利用拡大を図ること。
3.デフレ下における政府系金融機関の役割は、極めて大きいことから、政
府系金融機関の見直しについて、ペイオフの完全解禁が行われる平成17
年度まで一時凍結すること。
4.事業承継税制の拡大や同族会社の留保金課税の廃止など中小企業者に
対する税制面での支援を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆 議 院 議 長 綿 貫 民 輔 様
参 議 院 議 長 倉 田 寛 之 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
財 務 大 臣 塩 川 正十郎 様
経済産業大臣 平 沼 赳 夫 様
以上、意見書案を提出する。
平成14年12月13日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様 |