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意見書案と採決状況(平成15年6月第7号)

最終更新日:
 
意第7号
可 決

「義務教育費国庫負担制度」の堅持を求める意見書(案)

 1985年度国家予算編成期より、毎年、見直し・削減の俎上に登ってきた「義務教育費国庫負担制度」については、佐賀県議会を初めとする多くの地方議会からの声に2003年度国家予算においても堅持された。
 しかし、国は「見直し」の第一歩として、2003年度は共済費長期分など、約2,200億円を削減し、特例交付金と交付税により地方に移譲することとした。
 さらに政府は、この6月に閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」において、2006年度までに国庫補助負担金の縮減・廃止、地方交付税の財源保証機能の見直し・縮小と税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で進める「三位一体改革」を推進するとし、義務教育費国庫負担金もその改革の対象となっている。
 周知のとおり、義務教育費国庫負担制度は、憲法・教育基本法で保障する「義務教育費無償の原則」や「教育の機会均等・水準の維持向上」を具体化する現行教育制度の根幹をなす制度として法律により担保されており、また、人材育成のための未来への先行投資として必要不可欠のものとして維持されてきた。
 義務教育費国庫負担制度の一方的な見直しは、地方財政が厳しさを増す中にあって教育の質的向上が望まれる今日、財政状況の差を教育に影響させ、保護者、地域住民の望みに逆行するなど、憲法・教育基本法が保障する義務教育制度の理念を踏みにじるものといわざるを得ない。
 さらに、三位一体改革の議論の中でも義務教育費国庫負担金については、その取り扱いが不明確で、その全額が地方への財源として確保されることが明確にされない中では義務教育費国庫負担制度を見直すべきではない。
 よって、国におかれては、「義務教育費国庫負担制度」を見直す前に、憲法に規定された国の責務をどのように果たしていくのかという視点で十分な議論を行うとともに、同制度本来の趣旨である憲法・教育基本法が保障する「教育の機会均等・水準の維持向上」を担保する新たな仕組みが国民の合意を得られるまでは、現行の制度をそのまま堅持されることを強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成15年7月  日

                    佐 賀 県 議 会    

 衆議院議長  綿 貫 民 輔 様
 参議院議長  倉 田 寛 之 様
 内閣総理大臣  小 泉 純一郎 様
 財務大臣  塩 川 正十郎 様
 文部科学大臣  遠 山 敦 子 様
 総務大臣  片 山 虎之助 様

  以上、意見書案を提出する。
   平成15年7月4日
 提出者 全議員

 佐賀県議会議長  篠  塚  周  城  様

 

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