米国の同時多発テロを契機として、国際海事機関は昨年12月に「海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)」を改正し、国際航海に従事する旅客船及び総トン数500トン以上の貨物船並びにこれらの船舶が使用する港湾施設を対象に保安対策を義務づけた。
条約では、2004年7月の発効までの間に、保安計画を策定している港湾のリストを国が国際海事機関に報告しなければならず、対策をとらなかった港湾については、その港から出航した船舶に対し、相手国が入港を断ることが可能になるため、対策がおくれると国際貿易から締め出されることもあり得る。
我が国でも、国際海上輸送網の拠点と定められた136港湾で、港を管理する自治体や管理組合は、場周フェンス、監視カメラ、照明設備等の整備のほか、立ち入り禁止区域の設定、巡回警備、人や車両の出入りの管理、職員向け保安訓練の実施など、保安計画の策定と対策の実施が義務づけられる。
国の重要港湾である唐津港や伊万里港もこれらの保安対策を講じなければならないが、今回の港湾の保安対策は国際的なテロ対策を目的とした国家の安全保障の一環であり、一義的には国の責任において行うべきものである。
よって国におかれては、SOLAS条約改正に伴う港湾の保安施設の整備、その運営、維持管理等の費用に関し、国の責任において措置されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年10月 日
佐 賀 県 議 会
衆 議 院 議 長 綿 貫 民 輔 様
参 議 院 議 長 倉 田 寛 之 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
総 務 大 臣 麻 生 太 郎 様
国土交通大臣 石 原 伸 晃 様
以上、意見書案を提出する。
平成15年10月3日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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