国鉄が分割・民営化され、JR各社が発足した際に、当時の国鉄職員の一部が採用されないという、いわゆる「JR不採用問題」が発生して丸16年が経過した。
この間、この問題の政治的解決の枠組みとして、与党三党と社民党の間で「JR不採用問題の打開について(四党合意)」が取りまとめられ、協議が続けられていたが、昨年12月に与党三党の離脱という事態になり、今日に至っている。
四党合意が失効し、政治解決が困難な状況になる中、ILO(国際労働機関)は6月20日の理事会で政府に対し、「結社の自由の原則にかかわる極めて重要なものであり、日本政府によって対処されるべきものであることを強調する。日本政府と関係者たちが、可能な限り多くの労働者に受け入れられる公正な解決を見出す努力を行うよう促す。」との「結社の自由委員会報告」を採択した。
政府は、ILO87号条約(結社の自由・団結権条約)、98号条約(団結権・団体交渉権条約)を批准しており、そのことから見ても、政府は今回のILO報告を履行する責務がある。
九州における不採用職員は、一日も早い解決を望む中で平均年齢は51歳に達し、この間、14名の方々が解決を見ることなく死亡するという痛ましい状況にもなっている。
この機を逃せば、政治解決はあり得ないといわれる中、今こそこの問題を解決させることが政府に強く求められている。
よって、政府がこの問題の一刻も早い全面解決に向け、一層の努力をされるよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年7月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
国土交通大臣 扇 千 景 様
厚生労働大臣 坂 口 力 様
以上、意見書案を提出する。
平成15年7月4日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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