今日、持続可能な社会を構築することが、全人類共通の課題であるが、その解決のためには、現在の産業構造や社会経済システムのみならず、国民のくらしそのものを環境保全型に根本的に見直す必要がある。
そのためには、学校、家庭、地域社会、経済活動など、あらゆる分野を視野に入れた、総合的な環境教育・環境学習を通じて、人類の生存基盤である地球環境との共生をめざす人間の生き方や社会構造のあり方を学び、持続可能な社会の実現に向けて積極的に行動する人材を育てていくことが不可欠である。
これまで、我が国における環境教育・環境学習については、学校教育や社会教育のなかで、自主的に行われてきたが、法律に基づく総合的かつ体系的な取り組みはなされていない。
また、学校における環境教育・環境学習はあらゆる教育活動をとおして行われているものの、学校によってその取り組み状況に差があるのが現状である。
企業や地域社会においても環境ISO取得認証にともなう研修や人材育成、環境ボランティア団体による実践など、先進的な取り組みが広がっているが、これらの動きをさらに推進させることが不可欠である。
更に、昨年の国連総会において採択された「持続可能な開発のための教育の10年」に関する決議は、具体的に2005年より実施されることとなっており、わが国が提案国として、国際社会での取り組みにおいて十分にイニシアティブを発揮していくためにも、国内での環境教育・環境学習の推進のための体制整備が緊急の課題である。
したがって、国においては、環境教育・環境学習とその実践についての総合的かつ体系的な取り組みを推進するため、環境教育・環境学習の推進に関する法律の制定を早急に図るよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年7月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 綿 貫 民 輔 様
参議院議長 倉 田 寛 之 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
環境大臣 鈴 木 俊 一 様
文部科学大臣 遠 山 敦 子 様
農林水産大臣 亀 井 善 之 様
経済産業大臣 平 沼 赳 夫 様
国土交通大臣 扇 千 景 様
以上、意見書案を提出する。
平成15年7月4日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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