日本政府は「イラク復興支援特別措置法」に基づき、自衛隊をイラクに派遣し、安全確保活動による事実上米軍支援活動を行おうとしている。米英軍による武力行使によって7200人を超す罪のない市民が殺されたイラクでは、今もなお、市民も兵士も犠牲になる事件が後を絶たない状況にある。
現在、国連において総会が開催されており、アナン国連事務総長、シラク仏大統領、シュレーダー独首相等と多くの各国首脳から、国連決議のないままの米英軍のイラク侵攻について厳しく問われた。
国連現地本部に対する爆破テロは、戦闘状態がもはや泥沼化していることを示しており、イラク国内では「まだまだ戦闘状態にあり」「イラクを戦闘地域と非戦闘地域に分けることはできない」という状態が日を追うごとに進行している。
このような中、小泉内閣は、国会で一度はイラクヘの調査団派遣を見送る決定をしたにもかかわらず、米国側からの強い要請により決定を翻して、9月末の調査団派遣を決め、すべてが戦闘地域となり得るイラクヘ自衛隊を送り出す準備を進めようとしている。
一方、世界情勢を見ると、アメリカからイラクヘの派兵要請を受けたカナダ、パキスタン、インドは国連主導によるイラク復興支援になっていないことを理由に派兵を拒否しており、更にアメリカ、イギリス国内で「イラクの大量破壊兵器」所有の有無の確認ができていない問題等に対して非難が集中しており、米兵家族会は、ブッシュ大統領と国会議員に対し、兵士の帰国を求める運動を開始している。
このような世界の状況にあって、戦闘状態の続くイラクヘ自衛隊を派遣することは危険きわまりない行為である。
よって、国におかれては、年内にも予定されているイラクヘの自衛隊派遣の方針を直ちに撤回され、派遣を中止されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年10月 日
佐 賀 県 議 会
衆 議 院 議 長 綿 貫 民 輔 様
参 議 院 議 長 倉 田 寛 之 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
外 務 大 臣 川 口 順 子 様
防 衛 庁 長 官 石 破 茂 様
内閣官房長官 福 田 康 夫 様
以上、意見書案を提出する。
平成15年10月3日
提出者 牛 嶋 博 明 宮 崎 泰 茂
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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