当県議会は昨年3月、「諫早湾干拓地排水門の開門調査の着実な実施を求める意見書」を全会一致で可決、提出した。農水省は27日間という短期間で水位変動を20㎝にとどめるという小規模な開門調査が実施された。
平成13年12月、農林水産省の有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会、いわゆる第三者委員会は、諫早湾干拓潮受堤防排水門を開放しての短期、中期、長期の開門調査実施を提言され、開門は出来るだけ長く、水位変動は出来るだけ大きくとしている。
また、中・長期開門調査を「有明海再生の方途を見出すための調査」「諫早湾干拓事業が有明海全体の環境に与えた影響を検証するための調査」と位置づけしており、真の有明海再生への方途を見出すためには、排水門を開けての中・長期開門調査は、避けて通ることは出来ないものである。
しかしながら、新たに設置された「中・長期開門調査検討会議」の専門委員会は11月30日の会合で、委員長が今後の開門調査の実施に否定的な報告書案を示すなど、中・長期開門調査の意義、目的を逸脱した感があり、有明海の再生を願う県民は大きな不安と危機感を抱かざるをえない。
有明の海を後世に引継ぐために、また、有明海沿岸漁業者と有明海の恵をうける多くの関係者の生活の安定のために、是非とも諫早湾干拓潮受堤防排水門を開けての中・長期開門調査の実施を強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 倉 田 寛 之 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
農林水産大臣 亀 井 善 之 様
環境大臣 小 池 百合子 様
水産庁長官 田 原 文 夫 様
農林水産省九州農政局長 大 串 和 紀 様
以上、意見書案を提出する。
平成15年12月12日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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