去る8月13日、普天間飛行場に隣接する宜野湾市の沖縄国際大学構内に米海兵隊所属の大型輸送ヘリコプター1機が墜落炎上し乗員3人が負傷する事故が発生した。
墜落現場周辺は、数多くの教育機関を初め病院、商店街等が点在する民間地域となっており、広範囲にわたって部品が飛散した。
こうした状態で、沖縄県民にけが人が一人も出なかったのは不幸中の幸いというべきで、一歩間違えれば大惨事を引き起こしかねないものであり、日常的に基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている沖縄県民に大きな不安と恐怖を与えている。また、普天間飛行場は宜野湾市の中心にあり、地域住民はきわめて危険な状態にさらされている。
復帰後、米軍航空機の墜落事故や航空機からの落下物事故も枚挙にいとまがないほど発生しており、最近では、平成11年のヘリコプター墜落事故で乗員4人が死亡するなど、米軍航空機に対する沖縄県民の不安が高まっている。
これまでも米軍の航空機事故については、沖縄県ではその都度、米軍や関係機関に厳重に抗議し、事故の再発防止と安全管理の徹底等を強く要請しているにもかかわらず、またしてもこのような事故が発生したことはまことに許しがたい。訓練のあり方や航空機の老朽化、整備体制に問題がある中での訓練の継続は断じて容認できるものではない。
よって、本県議会は、沖縄県民の生命・財産を守る立場から、今回の事故に厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要請する。
記
1.事故の原因を徹底的に究明し、その結果を速やかに明らかにすること。
2.事故原因の究明、安全対策及び再発防止策が講じられるまでの間、普天間基地所属の大型輸送ヘリコプターの飛行を停止すること。
3.航空機の整備・保守点検体制を徹底的に見直して航空機の安全管理と事故の再発防止及び未然防止に努めるとともに兵士への教育と綱紀粛正の徹底を図ること。
4.米軍基地の整理縮小及び海兵隊を含む米軍兵力の削減を図ること。
5.普天間飛行場の早期返還を行うこと。
6.被害者への謝罪及び完全補償を行うこと。
7.日米地位協定の抜本的見直しを行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年10月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
防衛庁長官
沖縄及び北方対策担当大臣
防衛施設庁長官 |
河 野 洋 平 様
扇 千 景 様
小 泉 純一郎 様
町 村 信 孝 様
大 野 功 統 様
小 池 百合子 様
山 中 昭 栄 様 |
以上、意見書案を提出する。
平成16年10月1日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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