各医療保険制度の財政悪化に対処し、また今後、ますます進展する少子高齢社会においても持続可能な国民皆医療保険制度を維持するために、先に各医療保険法の改正が行われ、医療費の一部負担の3割(健康保険の被保険者本人一部負担金を2割から3割に)への統一及び外来薬剤費一部負担の廃止等の改正が平成15年4月より、また3歳未満乳幼児の一部負担の3割から2割への軽減等の改正が平成14年10月からそれぞれ実施されているところである。
こうした改正に伴って、月々に支払う医療費の一部負担が著しく高額になった場合に、一定額を超えた分が高額療養費として後から返還される自己負担限度額の引き上げが行われたところである。
自己負担限度額の見直しは、国民医療費の増大(平成13年度約31兆円、1人当たり約24万円、対前年費3.2%増)に対応するために、一部負担が一定額を超えた分が返還される高額療養費制度について、その制度自体の周知徹底されていないことに加え、窓口において一定額を超えた分まで一括して支払い、本人が申請して後日に超過分を受け取るという現在の仕組み自体がその金額の工面に困難をきたすなど、国民・患者にとっては極めて非効率で不親切な制度となっている。
政府においては、患者の窓口負担の簡易化を図るとともに、医療と介護に係る一部負担の合計額についても、同様の高額療養費制度を設けるべきである。
記
1.保険者は、高額療養費に係わる還付額について、対象者に通知を行うよ うにすること。
2.高額療養費の還付において、受領委任払いの拡大等により、患者の窓口 負担の軽減を図ること。
3.医療と介護に係る一部負担の合計が著しく高額になる場合にも、同様の 上限額を設ける新しい「医療・介護高額療養費制度」を設けること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 倉 田 寛 之 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
厚生労働大臣 坂 口 力 様
以上、意見書案を提出する。
平成15年12月12日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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