現在政府において、郵政事業の改革に関する議論が行われているが、経済財政諮問会議では平成19年に民営化を実施することとし、特殊会社のもと窓口ネットワーク会社、郵政事業会社、郵便貯金会社及び郵便保険会社として独立させるなどの基本方針が閣議決定されたところである。
郵政三事業の在り方については、今日まで歴史的に様々な議論がなされてきており、その結果「郵政公社法」が制定され、平成15年4月から日本郵政公社のもとに三事業が運営されることとなった。
全国で24,700の郵便局を通じて、ユニバーサルサービスとして三事業を全国公平に提供するとともに、各自治体との連携により住民票や納税証明書等の交付事務を行うなど国民生活の安定向上と福祉の増進に大きく寄与し、地域の過疎化、少子・高齢化が進展する中で、郵便局のネットワークの役割、重要性はさらに大きくなるものと考えられる。
こうした観点から、郵政事業の今後の改革に当たっては、スタートした日本郵政公社の経営の効率化やサービスの改善等の成果を十分検証するとともに、拙速な分割・民営化議論を進めるのではなく、次の点に特に留意され慎重に対応されるよう要望する。
記
1. 今後の改革に当たっては、何のための改革であるのか、国民生活や経済にどのようなメリット・デメリットがあるのか国民にわかりやすく示すこと。
2. 地方とりわけ過疎地の郵便局を市場原理にゆだねることなく、今後とも維持していくこと。また貴重な国民的資産である郵便局ネットワークを地方の活性化等に活用すること。
3. 5原則の雇用配慮原則を踏まえ、職員が希望をもって働ける環境を作るため雇用には充分配慮すること。
4. 改革の移行期においては、国民生活・国民経済への影響を考慮し、郵便事業の債務超過の解消や各事業の経営基盤の強化、国債マーケットへの配慮などに留意すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年10月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 扇 千 景 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
総務大臣 麻 生 太 郎 様
財務大臣 谷 垣 禎 一 様
郵政民営化担当大臣 竹 中 平 蔵 様
行政改革担当大臣 村 上 誠一郎 様
以上、意見書案を提出する。
平成16年10月1日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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