動物の愛護及び管理に関する法律、いわゆる動物愛護法は平成11年に改正されたが、一昨年5月、インターネットの掲示板を悪用して、公開の場で子猫を虐殺するという極めて残忍、かつ重大な行為が行われ、社会を揺るがした。
この事件は、インターネットを使った犯罪であるため立証の困難性が憂慮されたが、最終的に福岡地検は、逮捕、起訴に踏み切り、裁判の結果、懲役6ヶ月執行猶予3年という異例の有罪判決となった。
しかし残念ながら、この事件の後も動物を虐待、虐殺する事件が相次いでおり、動物虐待がエスカレートして、人間を虐待するケースも増えている。こうした事をきっかけに、動物を虐殺することが、器物破損罪より刑が軽いという現行法のあり方に多くの疑問の声が出されている。
さらに、動物愛護法は、諸外国の類似の法律と比べて規制内容や行政権限などの規定が不十分だと指摘されてもいる。よって、私たち国民が、幼少期から人間や動物の命の重さ、大切さを正しく認識し、人間と動物が共存できる社会の実現を目指し、下記の事項について、動物愛護法の再改正を強く求める。
記
1.虐待の定義を細かく規定すること。
2.動物取り扱い業の範囲を、動物を扱う全ての施設とし、届け出制から許可制にすること。
3.地方公共団体に動物担当職員を置くことを義務付け、イギリスにおけるアニマルポリス同様の権限を有するようにすること。
4.地方公共団体は動物愛護センターを設置し、虐待を受けた動物・負傷動 物等の保護、及び、飼うことを放棄された犬猫の保護と治療、里親探しを 行うことを主たる業務とすること。
5.国民への動物愛護と生命尊重の教育の機会を義務教育の中に位置づけること。
6.罰則を強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年6月 日
佐 賀 県 議 会
衆 議 院 議 長 河 野 洋 平 様
参 議 院 議 長 倉 田 寛 之 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
環 境 大 臣 小 池 百合子 様
文部科学大臣 河 村 建 夫 様
以上、意見書案を提出する。
平成16年6月25日
提出者 末 安 善 徳 太田 記代子 指 山 清 範 石 丸 元 章
峰 達 郎 松 尾 真 介 土 井 敏 行 桃 崎 峰 人
石 倉 秀 郷 増 本 亨 瀬 戸 久 司 楢 崎 近
岩 田 和 親 藤木 卓一郎 佐 野 辰 夫 福 島 光 洋
中 倉 政 義 竹 内 和 教 稲 富 正 敏 伊 藤 豊
木 下 治 紀 稲 富 康 平 緒 方 勝 一 山 口 隆 敏
伊 東 猛 彦 木 原 奉 文 岸 本 英 雄 富 崎 三 郎
石 井 秀 夫 石 丸 博 宮 崎 泰 茂 牛 嶋 博 明
留 守 茂 幸 篠 塚 周 城 吉 田 欣 也 本 山 光 二
原 口 義 己 池 田 義 正 宮 崎 繁 則
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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