平成29年2月定例会 意見書案と採決状況
意第5号
否決
長時間労働を規制する法律の早期制定を求める意見書(案)
わが国では欧米諸国と比べて長時間労働をしている人の割合が高くなっており、過労死が後を絶たない状況である。過労死は本人や家族のみならず、社会にとっても大きな損失であり、ゼロにすることが求められている。
2014年には、全会一致で「過労死等防止対策推進法」が制定された。にもかかわらず、政府は「労働基準法等の一部を改正する法律案」によって、労働時間の基本的保護を無くし、過重な長時間労働を合法的に課す「高度プロフェッショナル制度」の導入、事実上の残業代ゼロで、長時間労働の温床と指摘されている裁量労働制の拡大を目指している。
2016年9月には、電通の新入社員が過酷な勤労の末に自殺を図った事案が労災認定された。国はこの痛ましい事案を重く受け止め、一刻も早く長時間労働を規制する法律を制定すべきである。
よって、政府及び国会に対し、下記の事項を含んだ法律を制定するよう強く要望する。
記
1 36協定による労働時間の延長に上限を規定すること。
2 交代制勤務のあり方について検討した上で、勤務から翌日の勤務まで、一定時間以上の継続した休息時間(インターバル)の付与を義務化すること。
3 健康管理時間(事業場内にいた時間と事業場外で労働した時間の合計時間)を把握・記録するとともに、それを一定の上限の範囲内とする措置をとる
ことを裁量労働制導入の要件とすること。
4 使用者が新たに労働時間管理簿を作成し、労働者単位での日ごとの始業・終業時刻、労働時間等を記録することを義務付けること。
5 違法な時間外労働をさせた場合における罰則を強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成29年 月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 伊達 忠一 様
厚生労働大臣 塩崎 恭久 様
以上、意見書案を提出する。
平成29年3月22日
提出者 武藤明美 内川修治 徳光清孝 藤崎輝樹
江口善紀 野田勝人 井上祐輔
佐賀県議会議長 中倉 政義 様