現在、政府においては、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」、いわゆる「基本方針2004」に基づき、政府の要請を受け、地方六団体が作成した「国庫補助負担金等に関する改革案」を踏まえ、三位一体改革の全体像について議論がはじめられたところである。
この三位一体改革は、「行政サービスの権限を住民に近い場に」を基本原則として、国と地方の役割分担の抜本的な見直しを行い、自立した国と地方の関係を確立するために進められているものであり、地方分権の推進を図るためにぜひとも実現すべき課題と認識している。
しかし、国庫補助負担金の削減に関しては、政府の要請を受け地方六団体が改革案を作成した経緯があるにもかかわらず、補助金所管府省より補助金削減に反対する意見が相次いで出されるなど、地方分権を推進する観点からは遺憾である。
また、地方交付税について、地方公共団体が構成員となっていない経済財政諮問会議において、交付税制度の財源保障機能の廃止案や、大幅縮減案を検討されるなど、「地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保する」という「基本方針2004」の閣議決定が反故にされかねない状況にある。
よって、国におかれては、地方が決定すべきことは地方がみずから決定するという地方自治本来の姿の実現に向け、下記事項に留意しつつ「基本方針2004」に基づく三位一体改革が着実に進められるよう強く要望する。
記
1.「国庫補助負担金等に関する改革案」に基づく国庫補助負担金の一般財源化と、それにあわせた国から地方への権限移譲や必置規制・基準緩和を確実に推進すること。
2.税源移譲がなければ国庫補助負担金の削減を行わないとの原則を誠実に遵守し、税源移譲と国庫補助負担金の廃止を同時に実施すること。
3.地方公共団体の安定的な財政運営や、住民サービスの提供に支障が生じることのないよう、地方交付税等必要な一般財源の総額を確保するとともに、税源移譲が行われても、移譲額が国庫補助負担金廃止に伴い財源措置 すべき額に満たない地方公共団体に対しては、地方交付税の算定等を通じて確実に財源措置を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年10月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 扇 千 景 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
内閣官房長官 細 田 博 之 様
総務大臣 麻 生 太 郎 様
財務大臣 谷 垣 禎 一 様
経済財政政策担当大臣 竹 中 平 蔵 様
以上、意見書案を提出する。
平成16年10 月1日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
|