平成9年の京都議定書により、我が国は温室効果ガスの総排出量を平成20年から平成24年までの第1約束期間において、平成2年比6%の削減を約束した。
しかしながら、国民の現実の温室効果ガス発生状況は、省エネルギーの取り組みや企業の省エネルギー製品の品質向上などの努力がありながらも、減少するどころか平成14年度では7.6%増と、むしろ上昇している。
ロシアの批准でようやく議定書の発効が決まったが、我が国が温暖化対策に向けて取り組むべきことは、CO2最大排出国であるアメリカが批准するように外交努力を行うことであり、国内では事業者による任意の取り組みや国民に対する普及啓発にとどまらない、総合的かつ実効性ある温暖化対策を直ちに開始し、推進していくことである。
よって、佐賀県議会は、国会及び政府に対して、次の事項を実現するよう強く要請する。
記
1.地方税を主体とした温暖化対策に係る税の創設、排出権取引等の経済的手
法の導入など、実効性のある対策を早急に実施すること。
2.再生可能エネルギーの普及・拡大が進むよう、RPS法(電気事業者による新
エネルギー等の利用に関する特別措置法)の目標を大幅に引き上げること。
また、再生可能エネルギー導入に対する補助を充実し、事業者に 対する税
制上の優遇措置を講ずるとともに、欧州で実施されている「発電 原価保証制
度」を導入すること。
3.ヒートアイランド対策を推進するため、地方自治体や事業者等が実施する駐
車場など建築物敷地の芝舗装や道路の保水性舗装などの被覆対策、屋上緑
化などに財政支援を行うこと。
4.運輸部門における対策を推進するために、現在の重量別燃費水準を強化する
とともに、車両重量化の抑制や重量車両の一層の燃費改善を図るため、 欧
米で既に実施されている「平均燃費規制」を追加導入すること。また、 自動車
に係るグリーン税制を充実すること。
5.家庭部門における対策を推進するために、家電製品における省エネ法のトップ
ランナー基準の目標達成期間を短縮化し、より高い基準値を設定するととも
に、設定品目の一層の拡充を図ること。
6.我が国の森林が二酸化炭素吸収源としての機能を確実に果たすことができる
よう、環境面からの森林管理を強化し、そのための必要な財政措置を講ずるこ
と。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 扇 千 景 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
総務大臣 麻 生 太 郎 様
外務大臣 町 村 信 孝 様
経済産業大臣 中 川 昭 一 様
国土交通大臣 北 側 一 雄 様
環境大臣 小 池 百合子 様
以上、意見書案を提出する。
平成16年12月16日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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