国民の反対を押し切って、自衛隊がイラクのサマワに派遣されて1年が経過した。
イラクでは本年6月の主権移譲後も、ますます治安が悪化し、11月7日にはイラク暫定政府が全土(北部クルド人自治区を除く)に非常事態宣言を発令している。
日本政府は、主権移譲に先立って自衛隊の多国籍軍参加を決定し、サマワに駐留を続けているが、宿営地には、この1年間で8発のロケット弾が打ち込まれるなど、イラク特措法による派遣の前提である「非戦闘地域」への派遣という条件は崩れているのが実態である。
すでに、国連やアメリカの大量破壊兵器視察団は、イラクに大量破壊兵器は存在しなかったと結論付けており、イラク戦争に大義がなかったことは明らかである。
また、イラク多国籍軍に関する新決議が採択された後も、フランス、ロシア、中国、ドイツなどは多国籍軍に参加しておらず、イラク新決議に照らしても自衛隊のイラク派兵は根拠を失っていることは明白である。
よって、このような情勢の中で、小泉内閣が「集団的自衛権」を禁止している憲法を無視してまで、自衛隊派遣を延長することに強く反対し、即時撤退を求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 扇 千 景 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
外務大臣 町 村 信 孝 様
防衛庁長官 大 野 功 統 様
以上、意見書案を提出する。
平成16年12月16日
提出者 牛 嶋 博 明 木 下 治 紀 増 本 亨 太 田 記代子
末 安 善 徳 宮 崎 泰 茂
佐賀県議会議長 篠 塚 周 城 様
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