平成29年4月臨時会 決議案と採決状況
決第2号
否決
九州電力玄海原子力発電所の再稼働に関する決議(案)
原子力発電所が立地する本県において、我が県議会は県民の安全と安心の確保を第一に考え、原発の安全性等についてあらゆる機会に議論を行い、国、県、事業者に対しても論議の機会を持ち提言も続けてきた。
先の2月定例県議会でも、玄海原子力発電所3、4号機の再稼働に関し、真剣な審議が行われてきた。
原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原子力発電所が順次再稼働している現状の中で、玄海原子力発電所3、4号機も再稼働せざるを得ないと受け止めるものの、再稼働に不安を抱く県民の声や原子力規制委員会の新規制基準が新たな安全神話になるのではとの危惧の声があるのも事実である。また、万が一の原子力災害の際の避難計画の実効性や、使用済核燃料処理の問題など、解決されるべき課題は依然残っている。
福島の原子力災害の経験から、原子力発電の安全性、経済性、防災対策など国民の懸念も強い中、原子力政策については国が一元的に責任を果たすことが大前提である。原子力発電所の再稼働に当たっては、立地地域住民はもとより、より多くの国民の理解が得られるよう国と事業者は一体となって取り組む必要がある。よって県は、国及び事業者に対して、国民の安全と安心を確保するため、下記事項について継続して実行していくことを強く求める。
記
1 原子力発電については国民に対し丁寧に説明し、国民理解が得られるよう継続して最大限の取り組みを行うこと。
2 原子力発電所の更なる安全性向上について、ハード・ソフト両面から不断の努力を傾注すること。
3 原子力災害時における避難計画に対する住民の懸念を解消するため、国が避難計画を審査し同意を与える法制度(原子力災害対策特別措置法改正
案)を成立させるなど、国が避難計画に責任を持つ体制を整備すること。
4 使用済核燃料について確実な再処理体制の整備と貯蔵対策の強化を進めるとともに、高レベル放射性廃棄物の最終処分についても着実に進めるこ
と。
5 将来的に原子力発電への依存度を可能な限り低減する為、再生可能エネルギーの導入、省エネルギーの普及大幅拡大のための施策の充実などあらゆ
る政策資源を投入して取り組むこと。
以上、決議する。
平成29年 月 日
佐 賀 県 議 会
以上、決議案を提出する。
平成29年4月13日
提出者 藤崎輝樹 江口善紀 野田勝人
佐賀県議会議長 中倉 政義 様