平成29年4月臨時会 決議案と採決状況
決第5号
可決
諫早湾干拓開門問題に係る長崎地方裁判所の判決に対して控訴しないことを表明したことに抗議する決議(案)
4月25日、山本農林水産大臣は、諫早湾干拓の潮受堤防排水門の開門差止を求めた訴訟において、長崎地方裁判所から出された開門差止の請求を容認する判決に対して、控訴しないことを表明した。
佐賀県議会は、4月21日に、佐賀県、沿岸市町及び漁業関係者と合同で、有明海再生の早期実現を求める要請を行い、長崎地裁の開門差止め判決に対し控訴することを求めてきたところである。
しかしながら、今回発表された農林水産大臣談話では、国は「開門しない方針」を明確に打ち出した一方で、開門問題の解決に向けた努力の痕跡が見当たらず、当初から開門しないことを前提としている一連の国の姿勢に、佐賀県民は憤りを禁じ得ない。
そもそも国は、平成22年の福岡高裁の確定判決を受け入れており、開門を履行する義務があるにもかかわらず、今日に至っている。開門調査を放棄することは、「宝の海」有明海の再生の可能性を国の力で握りつぶすものであり、更に、最高裁まで上告せず福岡高裁判決を確定させておきながら、自ら、長崎地裁判決を受け入れることは自己矛盾も甚だしく、法治国家である我が国においては、司法そのものの権威を軽んじる行為であり、あるまじきことである。
よって、佐賀県議会は、農林水産大臣の対応に対し、厳重に抗議するとともに、談話を撤回し、即刻控訴することを強く要請する。
以上、決議する。
平成29年 月 日
佐 賀 県 議 会
以上、決議案を提出する。
平成29年4月27日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 石倉 秀郷 様