昭和56年以降、がんは、我が国の死亡原因の第1位を占め、現在では死亡原因の3割を超えている。そのため、政府は「対がん10カ年総合戦略」を展開し、その第3次総合戦略を昨年度からスタートさせた。
ところが、多くのがん患者・家族が、日本のがん医療に不満を持っており、病院や地域によって治療成績に大きな格差があるなどの課題が指摘されている。そのため、同戦略の中で、がん医療水準の「均てん化」(全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術等の格差是正を図ること)が打ち出され、がんの罹患率と死亡率の激減を目指している。
政府は今年5月、厚生労働大臣を本部長とする、がん対策推進本部を設置したが、総合的ながん対策を強力に推進することが求められている。
よって、政府におかれては、下記の項目を早急に実施されるよう強く要望する。
記
1 がん医療水準の均てん化の推進、特に地域がん診療拠点病院を整備するこ と。
2 がん治療専門医(特に化学療法、放射線療法の領域)を養成、確保すること。
3 国民が利用しやすい「がん情報センター」、がん拠点病院等への「がん 患者情報室」を設置すること。
4 有効性が証明された、がん検診の強力な推進及び受診率の向上を図ること。
5 地域がん登録の普及と精度の向上を図ること。
6 海外で承認され国内で未承認の薬の使用機会と安全性を確保すること。
7 センター方式による高度がん治療技術の開発と臨床応用を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 扇 千 景 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
厚生労働大臣 川 崎 二 郎 様
以上、意見書案を提出する。
平成17年12月16日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 原 口 義 己 様
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