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意見書案と採決状況(平成18年9月第14号)

最終更新日:
議案等の審議結果
平成18年9月定例県議会
意第14号
可 決

多重債務を未然に防止し消費者保護を図るための意見書(案)

  クレジットや消費者金融を利用し返済困難に陥っているいわゆる多重債務者は、少なく見積もっても150万人~200万人、自己破産者は年間21万人を超え、経済・生活苦による自殺者も年間8,000人に迫る。大半の多重債務者は生活苦により返済のための借金を繰り返す自転車操業に陥っており、それが原因と思われる自殺、家出、犯罪なども発生している。国民の10人に1人が消費者金融を利用し、国民一人当たり2枚のクレジットカードを所有している我が国において、誰もが多重債務に陥る可能性がある。
こうしたまさに「多重債務社会」の一方で、大手消費者金融(サラ金)は、現在も高収益をあげている。その背景には、低金利による資金調達とともに、利息の上限違反に刑罰を科す出資法と、民事的効力の限界となる利息を定める利息制限法の上限金利の間の差(民事上無効だが刑事罰の対象とならないグレーゾーン)がありグレーゾーンの利率で貸し付けるという実態がある。この問題については、いわゆるヤミ金対策法の附則(2003年改正出資法附則第12条)で2007年1月を目途に、消費者金融の金利規制を見直すこととされており、またグレーゾーン金利を事実上否定した今年1月の最高裁判決もあり、これから国会等での議論が本格化することが予想される。
  つきましては、多重債務の未然防止と消費者保護を図るため、次の事項を実現するよう強く要望する。

1 少なくとも出資法第5条の上限金利を利息制限法第1条の制限金利まで 引き下げ、民事・刑事の規制を統一し、消費者金融の貸出金利の引き下げを図ること。

2 貸金業の規制等に関する法律第43条「みなし弁済」規定を廃止すること。

3 多重債務者に対する相談体制を強化するとともに、クレジット、サラ金被害の未然防止のため、消費者教育の充実を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成18年10月 日

佐 賀 県 議 会

  衆議院議長      河野 洋平 様
  参議院議長      扇    千景 様
  内閣総理大臣   安倍 晋三 様
  法務大臣         長勢 甚遠 様
  金融担当大臣   山本 有二 様

  以上、意見書案を提出する。
   平成18年10月2日

  提出者 全議員

  佐賀県議会議長   原 口 義 己 様

 

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