古川知事は、玄海原子力発電所3号機において計画されているプルサーマル計画について、これまでどおり、国による厳格な規制・監督と九州電力による適正な安全管理が果たされることを前提に、安全性は確保されるとの判断をした。
さらに、立地自治体である玄海町の「事前了解をしたい」との意向が示され、隣接地の唐津市においても、計画実施に向けての意見・要望を聞き、事前了解への理解は得られるものと判断したとしている。
その上で、今後、県議会の議論を踏まえて、事前了解について最終の判断をしたいと表明された。
しかし、原発立地県としてプルサーマル計画に対する反対の声は広く、根強くあり、公開討論会においても慎重派と推進派の意見は今までどおり、それぞれの立場を述べ、平行線のままであったことも考慮しなければならない。
特に、10キロ圏の多くが含まれる唐津市の住民の不安感は、風評被害などの心配がされている農・漁業者の不安の声とともに大きいものがある。
こうした根強い反対の声の背景には、過去において原子力施設における自主点検記録の不実記載や隠蔽などの問題、MOX燃料のデータ改ざん、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏洩事故後の情報公開をめぐる不適切な対応など社会に大きな不信感と不安感を与えてきたことが大きな原因といわなければならない。
そのため、事業者は、規制の対象となっている建設、設備変更時の各種申請や運転などに関する基本的な情報はもとより、事故、トラブル等原子力安全に関する情報を、時機を逸することなく公開し、原子力安全に関するすべての諸問題の透明性を確保する必要がある。
このような県民の立場に立った取り組みが、原子力安全に関する県民の信頼を築き上げていく上で不可欠のものであると確信する。
ついては、古川知事におかれては、プルサーマル計画の事前了解に当たって、
1 県民の不安解消に努め、理解を深めること。
2 更なる安全管理体制の強化をはかること。
3 過去に起きた不祥事と類似する危険な事態が発生した場合、県民の安全と安心を守る立場から、当該炉を即時運転中止すること。
4 県民の管理・監視体制として、原子力安全に関わる情報の透明性を確保すること。
5 情報公開システムを確立すること。
6 隣接市である唐津市から出された、「玄海原子力発電所3号機におけるプルサーマル計画導入に係る申し入れ書」を真摯に受け止め、責任を持って実現を図ること。
などを条件に、慎重に推進されるよう強く要望する。
以上、決議する。
平成18年3月 日
佐 賀 県 議 会
以上、決議案を提出する。
平成18年3月22日
提出者 本 山 光 二 原 口 義 己 吉 田 欣 也 池 田 義 正
篠 塚 周 城 堀 田 一 治 留 守 茂 幸 宮 崎 繁 則
石 丸 博 石 井 秀 夫 山 口 隆 敏 富 崎 三 郎
岸 本 英 雄 木 原 奉 文 伊 東 猛 彦 楢 崎 近
緒 方 勝 一 稲 富 康 平 稲 富 正 敏 瀬 戸 久 司
竹 内 和 教 中 倉 政 義 福 島 光 洋 佐 野 辰 夫
藤木卓一郎 岩 田 和 親 石 倉 秀 郷 桃 崎 峰 人
土 井 敏 行 松 尾 真 介 峰 達 郎 石 丸 元 章
指 山 清 範 伊 藤 豊
佐賀県議会議長 原 口 義 己 様