近年、有明海沿岸では、河川等から流出した流木や葦などのごみが大量に海岸に漂着し、海岸保全施設の機能のみならず、漁業や観光面を含めた生活環境や自然環境の保全に、重大な悪影響を及ぼしている。
また、玄界灘では、流木が漂流し、海水浴場等には、海外からと思われる針の付いた注射器など医療廃棄物等が繰り返し漂着して、危険な状態にあることから、県や地元市町は、その回収や処理に苦慮しているところである。
有明海及び玄界灘は、漁業資源等沿岸に居住するものに多くの恩恵をもたらしている貴重な財産であり、海洋汚染を防止し環境の保全を図っていくことは、沿岸各県の使命である。
海岸漂着ごみは、県や地元市町で撤去・回収に努めているが、発生原因等について全容が解明されておらず、潮流等によっては、今後も漂流・漂着することが危惧されている。また、玄界灘の問題は、国際間の問題とも考えられる。
こうした状況は、通常の海岸管理の負担を大きく超えるものであり、国において下記の対策を早急に講じられるよう強く要請する。
記
1 災害関連大規模漂着流木等処理対策事業及び災害廃棄物処理事業など海 岸漂着ごみ処理に係る補助事業制度を拡充すること。
2 医療廃棄物等漂着の原因究明及び漂流・漂着状況の監視体制の実施並びに流出防止のための国際協力体制を構築すること。
3 流出実態調査や流出防止対策及びごみ流出防止のための啓発・普及など河川等からのごみ流出防止対策を充実すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年10月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河野 洋平 様
参議院議長 扇 千景 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
外務大臣 麻生 太郎 様
農林水産大臣 松岡 利勝 様
国土交通大臣 冬柴 鐵三 様
環境大臣 若林 正俊 様
水産庁長官 白須 敏朗 様
以上、意見書案を提出する。
平成18年10月2日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 原 口 義 己 様
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