母子家庭においては、次世代の子どもの健やかな成長を願いながら、子育てと生計維持の二役を母親一人で担い、生活全般にわたって多くの困難を抱えている。
昭和36年、児童の心身の健やかな成長に寄与することを趣旨として児童扶養手当法が成立し、以来多くの母子家庭の暮らしを支えてきた。
しかし、平成15年4月、改正児童扶養手当法が施行され、手当の支給を受けた母は、自ら進んでその自立を図り、家庭生活の安定と向上に努めなければならないとの主旨が追加され、平成20年4月から受給後5年を経過した場合には、手当額の2分の1を超えない範囲で減額する措置が定められた。
一方、平成15年「改正母子寡婦福祉法」及び「母子家庭の就業の支援に関する特別措置法」(平成20年3月までの時限立法)が施行され、母子家庭の母の就業・自立のための支援策が強化された。しかし、その後の各方面の支援にも関わらず母の就業はなかなか改善されず、極めて困難な状況下にある。
近く、厚生労働省では自立支援策の進展状況等をみて、平成20年4月以降の児童扶養手当の減額率の検討に入ると思われるが、検討にあたっては、母子家庭の厳しい生活実態に十分配慮いただき、また、今後も母子家庭の自立に向けた就業支援策の更なる充実を図られるよう下記事項を強く要望する。
記
1 平成20年4月以降の児童扶養手当の減額率を検討するにあたり配慮すること。
2 母子家庭等の自立に向けた就業支援策について地域間格差の是正を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年10月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河野 洋平 様
参議院議長 扇 千景 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
厚生労働大臣 柳澤 伯夫 様
以上、意見書案を提出する。
平成18年10月2日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 原 口 義 己 様
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