日本と豪州は、両国の経済関係の強化を図るため平成17年11月から「日豪経済強化に関する共同研究」を進めていたが、平成18年12月12日、EPA(経済連携協定)の締結に向けた二国間交渉を来年から開始することで合意した。
しかしながら、豪州からの輸入状況を見ると、農林水産物輸入の占める割合が高く、しかも我が国にとって極めて重要な品目が多く含まれているのが実態である。
豪州との間では、農産物の取り扱いが焦点となるのは必至であり、その取り扱い如何によっては、本県はもとより日本農業に壊滅的な打撃を与える恐れがあることから、下記事項について適切に対応されるよう要望する。
記
1.豪州は、現在WTOのルール交渉の場においては、FTAの締結について極めて厳格なルールを主張し、過去に締結したFTA(自由貿易協定)交渉でも例外をほとんど認めていないといった大変厳しい国であり、豪州と交渉に入れば、こうした主張の下で我が国に対して重要品目も含めた関税撤廃を求めてくることは必至である。
よって、担い手育成など構造改革の努力を無にし、我が国の農業を崩壊させる重要品目の関税撤廃などの要求は断固拒否すること。
2.WTO農業交渉において、これまで我が国は「農業の多面的機能の発揮」と「多様な農業の共存」等の観点から、十分な数の重要品目の確保とその柔軟な取り扱い、また、上限関税の絶対阻止を主張し続けており、豪州とのEPA交渉において従来の主張から譲歩すれば、これまでの努力が水泡に帰すこととなる。
よって、豪州とのEPA交渉にあたっては、WTO交渉におけるこれまでの我が国の主張に基づいた対応を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河野 洋平 様
参議院議長 扇 千景 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
外務大臣 麻生 太郎 様
農林水産大臣 松岡 利勝 様
経済産業大臣 甘利 明 様
以上、意見書案を提出する。
平成18年12月15日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 原 口 義 己 様
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