今日、自己破産の申立件数は平成16年に年間21万件を突破し、経済的理由による自殺者は年間8,000人に迫る等、潜在的多重債務者が200万人にもおよぶと言われている。
また、佐賀県においても平成16年の自己破産申立件数は、2,160件もあり、多重債務問題は深刻さを極めている。
そのような状況にあって、最高裁は平成18年1月13日に画期的判決を下した。すなわち、借り主の「任意」の支払いについて、「明らかな強制だけでなく事実上の強制があった場合にも利息制限法の上限を超えた部分の支払いは無効」という初めての判断を打ち出した。最高裁は、利息制限法こそが大原則であることを明確にした。
この判決を機に,政府や国会は多重債務者救済のために不透明な「グレーゾーン」(利息制限法の上限金利を超えるが出資法の刑事罰には問われない範囲)をなくすための法改正に取り組まなければならない。
よって、国民生活における不安を解消し、その安定を実現するため、早急に下記3項目が実現されるように強く要望する。
記
1.「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出 資法」という。)第5条に定める上限金利を引き下げること。
2.「貸金業の規制等に関する法律」第43条(いわゆるみなし弁済規定) を廃止すること。
3.貸付に際して、実態として貸金業者と同一の保証会社に保証料等名目の 高額な金員を支払わせるなどの出資法及び利息制限法の金利規制を脱法す る行為について、これを規制する立法措置を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年7月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 扇 千 景 様
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 様
法務大臣 杉 浦 正 健 様
金融・経済財政政策担当大臣 与謝野 馨 様
以上、意見書案を提出する。
平成18年7月6日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 原 口 義 己 様
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