平成19年6月22日、佐賀地方裁判所において、佐賀商工共済協同組合破産に伴う損害賠償請求訴訟に関する判決が言いわたされた。
この訴訟は、佐賀商工共済協同組合の経営破綻により、被害を被った組合員が、組合経営陣及び監督官庁である佐賀県に誠意ある対応を求めたが、組合並びに県当局の責任を逃れるかのような行為に対し、損害賠償を求め裁判を提起されたものである。
この件につき県議会では、平成16年4月に特別委員会を設置し、「県に法的な責任がないとはいえず、この問題に対する県の対応を十分反省し、被害にあった組合員に対し、組合の持つ債権の買取など救済策の実施、また、二度とこうしたことがないよう組合に対する厳正で適切な指導の実施と事務処理の適正化」を求める決議を全会一致で可決し、再三にわたり、定例会において早期解決、早期救済を求めてきたが、県は、責任を認めようとせず、司法の判断に委ねるとしてきた。
こうした中、去る6月22日、佐賀地裁において、経営陣の全面的な経営責任を認めるとともに、県に対しても、「組合の粉飾経理を知った後も漫然と放置したのは、行政裁量の限度を逸脱している」と県の責任を認め、損害を賠償すべき旨の判決が言いわたされた。
県では、この判決を受けて、今定例会に、判決に係る損害賠償並びに知事の給与を減額する旨の条例改正案が提出された。
しかし、この問題は、今回の判決で終わるものではなく、訴訟に参加しない多くの組合員の救済、又、第二次訴訟への対応など多くの課題が山積している上、損害賠償に公費を投入することについて、県民の厳しい批判もあり、下記の事項について適切な対策を講じられるよう求める。
記
1 判決が言いわたされた今、県においては、判決に従い、原告
組合員に対する賠償を速やかに実施すること。
2 現在、佐賀地方裁判所で審理されている第二次訴訟原告並びに訴訟に参加していない組合員に対しても、県当局から積極的に解決に向け対応すること。
3 今回の問題は、行政裁量の限度を逸脱しているという、行政執行上重大な指摘を受けたもので、県の信頼を著しく失墜させたものであり、現行政当局の責任を明らかにすること。
4 今回の問題の第一義的責任は、当該組合経営陣にあり、被告等旧経営陣に対し、県は、できうる限りの求償を行うこと。
5 県の責任は、平成8年当時、法令に基づく業務改善命令を速やかに発令しなかったこと等にあり、当時の責任者である前知事等の責任の所在を明確にし、その道義的、政治的、法的責任を問うこと。
6 今後の救済策の実施に当たっては、県民にその必要性等十分説明すること。
7 他の協同組合においてこうした問題が二度と発生することが
ないよう、 監督官庁として法令を遵守し、適切な行政執行に万
全を期すこと。
以上、決議する。
平成19年7月 日
佐 賀 県 議 会
以上、決議案を提出する。
平成19年7月5日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 石 丸 博 様