経済産業省原子力安全・保安院は、8月、原子力発電所の運転長期化のため省令を改正する方針を発表した。
これは、原子力発電所の定期検査の間隔を現行の「13ヶ月」から「24ヶ月」へと延長するもので、連続運転の長期化が来年度から可能になると言われている。
原子力発電所の定期検査をめぐっては、施設の設備利用率アップを目指す電力業界がその合理化を求めているが、一方で、一昨年8月に起きた関西電力美浜原発3号機の事故では、定期検査合理化が問題となり、また、各地の原発で配管の減肉現象が次々に見つかったことなどから、原発立地とその周辺の自治体では定期検査の充実こそが求められている。
さらには、7月に起きた新潟中越沖地震では、東京電力柏崎刈羽原発で想定を大きく超える揺れが観測されて、7機すべての原発が運転停止に追い込まれている。原子炉など重要な原発中枢部を含め、被害の全容もまだ解明されておらず、こうした時期に定期検査制度を改めようとするのは拙速であり、コスト優先との批判を免れない。
数々の事故によって、原発の安全神話が崩壊した今、国民は、原発の安全性を最優先させることを望んでおり、本議会はここに、原発の連続運転を長期化することのないよう定期検査間隔の延長に関し、慎重な対応を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年 月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 福 田 康 夫 様
経済産業大臣 甘 利 明 様
資源エネルギー庁長官 望 月 晴 文 様
原子力安全・保安院院長 薦 田 康 久 様
以上、意見書案を提出する。
平成19年10月4日
提出者 牛嶋博明 増本亨 太田記代子 末安善徳 内川修治 徳光清孝
藤崎輝樹 武藤明美 宮崎泰茂
佐賀県議会議長 石 丸 博 様
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