近年、地球温暖化が深刻な環境問題となる中で森林の役割に対する要請が高まるなど、環境資源としての森林に対し強い期待が寄せられている。
一方、林業を取り巻く厳しい状況の中で、森林経営は脆弱化し、その担い手である山村は崩壊の危機に立っている。
このような中、森林整備を推進していくためには、森林所有者の森林経営意欲を創出するための施策の推進はもとより、民間による整備が困難な水源林等公益森林の整備に対する公的機関の役割の強化、更には、過疎化・高齢化が進む中で、森林・林業の担い手である山村の再生に向けた積極的な取組が極めて重要となっている。
よって、国においては、下記事項について特段の措置を講じ、森林吸収源対策の推進はもとより、依然として厳しい状況下にある林業・木材産業の再生、国有林の適切な管理運営体制の確保を図るなど、森林・林業・木材産業施策を積極的に展開されるよう強く要請する。
記
1 森林吸収源対策を着実に推進するため安定的な財源を確保すること。
2 林業・木材産業の振興施策の推進と森林所有者の負担軽減措置による森林経営意欲の向上を図ること。
3 緑の雇用対策等森林・林業の担い手対策の拡充、施業の集約化、路網の整備・機械化の推進等による効率的・安定的な木材の供給体制を確保すること。
4 木材のバイオマス利用の促進等により間伐材を含む地域材の需要拡大対策の推進による地域林業・木材産業の振興を図ること。
5 水源林造成事業を含めた公益性の高い森林の整備を推進するための組織体制の確保を図ること。
6 施業放棄地等民間による森林整備が困難な地域における森林整備制度の充実を図ること。
7 国民共有の財産である国有林を適正に管理するとともに、公益的機能の一層の発揮を図るため国による管理運営体制を堅持すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年 7月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 福 田 康 夫 様
外務大臣 高 村 正 彦 様
農林水産大臣 若 林 正 俊 様
経済産業大臣 甘 利 明 様
環境大臣 鴨 下 一 郎 様
以上、意見書案を提出する。
平成20年 7月16日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 石 丸 博 様
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