地方議会議員の活動は、単に本会議などの会議に出席し、議案の審議などを行うだけではなく、当該地方公共団体の事務に関し調査研究するための活動や、住民代表として住民意思を把握するための活動などいわゆる議員活動があり、とりわけ都道府県議会議員は、活動区域が広域であることや審議事項が広範多岐にわたることから、その職務は、常勤化、専業化している。
また、地方分権時代において議会に期待されている利害調整機能、政策形成機能及び監視機能を十分に発揮するためには、議会改革や政策立案など今まで以上に積極的に議員活動を展開していく必要がある。
しかしながら、現在、地方議会議員の職務や位置付けは法的に明確にされておらず、議員活動は一般的に議員の職務として認知されていない実態にある。このことが、議員の活動に対する期待や評価において議員と住民との意識の乖離を生み出し、さまざまな問題の原因となっており、早急な対応が必要となっている。
ついては、住民代表として政治にかかわる地方議会議員の職責又は職務を法律上明確に定義し、それら職務等を遂行するために必要な経費を受けることができるようにするなど、地方分権時代にふさわしい議員活動を保障するため所要の措置を講ずる必要がある。
よって、国におかれては、地方自治法について、以下のような改正が行われるよう要望する。
1 地方議会議員の職責又は職務を明確にするため、地方自治法に新たに、「議会の議員は、議会の権能と責務を認識し、その議会の会議に出席し議案の審議等を行うほか、当該普通地方公共団体の事務に関する調査研究及び住民意思の把握等のための諸活動を行い、その職務の遂行に努めなければならない。」旨の規定を設けること。
2 地方自治法第203条から議会の議員に関する規定を他の非常勤職と分離し、独立の条文として規定するとともに、議会の議員、とりわけ都道府県議会議員の議員活動の実態に対応し、職務遂行の対価について、単なる役務の提供に対する対価ではなく、広範な職務遂行に対する補償をあらわす名称とするため、「報酬」を「歳費」に改めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成19年12月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 福 田 康 夫 様
総務大臣 増 田 寛 也 様
以上、意見書案を提出する。
平成19年12月14日
提出者 原口義己 吉田欣也 篠塚周城 堀田一治 留守茂幸
石丸博 石井秀夫 木原奉文 伊東猛彦 稲富康平
稲富正敏 竹内和教 中倉政義 福島光洋 藤木卓一郎
岩田和親 楢崎近 石倉秀郷 桃崎峰人 土井敏行
峰達郎 指山清範 古賀善行 大場芳博 石井久起
田崎信幸 岡口重文 原田寿雄 宮原真一 坂口祐樹
牛嶋博明 増本亨 太田記代子 末安善徳 内川修治
徳光清孝 藤崎輝樹 伊藤 豊 宮崎泰茂 向門慶人
佐賀県議会議長 石 丸 博 様
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