雇用促進住宅については、行政改革等の観点から、譲渡・廃止の方針が打ち出され、平成19年6月に閣議決定された規制改革推進のための3か年計画により平成33年度までにすべての処理を完了することとされ、同年12月に閣議決定された独立行政法人整理合理化計画において、全住宅数の半数程度を前倒しで廃止決定することとされている。
平成20年4月1日付で廃止決定された650住宅について、退去を求める突然の通知文の配布とその後に入居者説明会が開催され、現場では多くの混乱が生じている。
特に高齢世帯や転居先のない長期入居者などは大きな不安を抱えている。また、入居者の現状と意向を把握しないまま退去を求める手法には、大きな疑問が生じている。
国においては現在、平成23年度までにおおむね3分の1の雇用促進住宅を譲渡・廃止することを定めた独立行政法人雇用・能力開発機構中期目標の見直しについて検討されているところであるが、入居者の現状や昨今の厳しい雇用情勢に配慮し、下記の事項を実現されるよう強く要望する。
記
1.入居者の現状と意向を把握し、廃止に至るまでの対応を抜本的に見直すこと。
2.現在、雇用促進住宅に入居している方々への相談体制を早急に整備すること。また、民間事業者の活用も含め転居先などの情報提供を充実させること。
3.定期借家契約の場合、暫時契約が切れるケースも想定され、入居者説明会を急ぐこと。
4.長期入居者のうち、高齢などの困難な事情を抱え、転居先が決まらない入居者については、転居先が決まるまでの期間は猶予するなど、十分な配慮措置を講じること。
5.派遣切りの労働者向けの緊急的住宅として、雇用促進住宅が活用されている。この未曽有の不況下で各地域における雇用促進住宅については、地域事情を十分考慮して対応すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年3月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 麻 生 太 郎 様
厚生労働大臣 舛 添 要 一 様
以上、意見書案を提出する。
平成21年3月24日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 石 丸 博 様
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