不安定な中東情勢、中国やインド等の経済発展に伴う世界的な需要の拡大、原油先物市場への大量の投機資金の流入などを背景に、昨今の原油価格は史上最も高い水準にあり、一向に沈静化の兆しが見えない、
このため、石油依存度が高く十分な価格転嫁を行いがたい農業、漁業、運送業、中小企業などの収益が悪化し、また、原材料費や穀物価格の上昇と相まって、食料品や日常生活用品などの価格上昇が家計に直接影響を及ぼすなど、地域経済に深刻な影響をもたらしている。
よって国におかれては、国民生活の安全・安心、産業の活力、地域の活性化を確保するため、下記の事項について関係省庁間連携により総合的な対策を早急に講じられるよう、強く要望する。
記
1 国内の石油元売各社に対し、石油製品の需要予測を踏まえた適正な在庫水準の維持など安定的な石油製品供給体制の確保を要請するとともに、調査・監視・指導を強化し、消費者に対する情報提供を積極的に行うこと。
2 農林漁業用の燃油高騰に対し、価格の低減化・安定化対策を講じるとともに、燃油使用量抑制のため、農林漁業者に対し、省エネ設備・機械の導入に対する支援措置や経営を安定化させるための措置等を講じること。
3 運送業や中小企業等についても、その厳しい経営状況に配慮し、各業種別に実情を調査の上、価格安定対策や金融支援策など適切な対策を講じること。
4 石油価格の高騰及びこれに関連する日常生活用品・食料品等の価格上昇が、社会的弱者、高齢者、身体障害者等の生活を脅かすことのないよう、適切な対策を講じること。
5 石油依存度を引き下げるエネルギー政策に転換し、省エネルギーの技術開発と実用化など、省エネルギー化政策を推進すること。
6 原油価格高騰の要因となっている投機資金の流入への対応につ
いては、日本が率先して各国と連携し、国際石油市場の安定に向け
た国際協調を推進し、原油先物市場の透明性の向上を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年 7月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 福 田 康 夫 様
財務大臣 額賀 福志郎 様
厚生労働大臣 舛 添 要 一 様
農林水産大臣 若 林 正 俊 様
経済産業大臣 甘 利 明 様
国土交通大臣 冬 柴 鐵 三 様
経済財政政策担当大臣 大 田 弘 子 様
水産庁長官 山 田 修 路 様
資源エネルギー庁長官 石 田 徹 様
以上、意見書案を提出する。
平成20年 7月16日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 石 丸 博 様
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